2025.10.17
SNS広告【TikTok Shopが6月から日本でサービス開始!】機能や広告の使い方を徹底解説

ショート動画に特化したSNS「TikTok」に、新たなeコマースサービスである「TikTok Shop」が追加されました。2025年6月から日本でも利用できるようになっており、今後ますます利用者が増えていくと考えられます。
そこで本記事では、TikTok Shopの機能やメリット、始め方について詳しく解説します。売上を伸ばすポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
TikTok Shopとは?

TikTok Shopは、若年層を中心に人気の高いショート動画SNS「TikTok」のアプリ内で、商品をリアルタイムに購買できるECプラットフォームです。
これまではTikTokで興味のある商品を見つけても、購入するためには外部のECサイトなどへ遷移する必要がありました。しかし別サイトへ遷移するとなると、ユーザーが途中で購入をやめてしまう可能性があります。(Web上では、ワンクッション挟むだけでコンバージョン率が下がるといわれています)
そこで登場したのが「TikTok Shop」です。この機能により、今後は気になった商品があればアプリ内でシームレスに購入できるのです。これはWebマーケティングやSNSマーケティングにおいても非常に大きな進歩といえるでしょう。
TikTok Shopの主な機能
TikTok Shopには、以下の6つの主要機能があります。
- 買い物カート付きショート動画
- ライブショッピング
- ショップページ(商品ショーケース機能)
- ショップタブ
- ショップ広告
- アフィリエイトプログラム
それぞれどのような機能なのか、詳しく見ていきましょう。
買い物カート付きショート動画
TikTok Shopの実装により、ショート動画に買い物カートを付けられるようになりました。
ユーザーはショート動画に付与された「商品タグ」をタップするだけで、商品詳細ページに移動し、そのままアプリ内で決済まで完了できます。これまでのように外部サイトや別アプリへ遷移する購入導線が不要になり、よりシームレスな購買体験を実現できるようになりました。
ライブショッピング
TikTokのライブ配信画面上にも、「ショップタグ」を表示できるようになりました。
出店者はライブ配信で商品を実際に紹介したり、ユーザーからの質問にリアルタイムで答えたりしながら、その場で購買を促すことが可能です。視聴者は、ライブ中に表示されるショップタグをタップするだけで商品詳細ページへ移動でき、アプリ内でそのまま決済まで完了できます。
ライブ中に表示されるタグをタップするだけで購入が完結するため、ユーザーは配信を見ながらスムーズに買い物が可能です。この仕組みにより、従来は難しかった「ライブコマース」をTikTok内で手軽に実施できるようになりました。
ショップページ(商品ショーケース機能)
自社アカウントのプロフィールページに、商品一覧を掲載できるショップページ(商品ショーケース機能)も実装されました。ユーザーはプロフィールから商品一覧をチェックでき、気になる商品をタップすると商品詳細ページを確認したうえで、そのままアプリ内で決済まで完了できます。
この機能により、TikTokがSNSだけでなく、公式ECサイト代替としての役割も果たすようになったことは大きな進化といえます。
ショップタブ
TikTok Shopの実装後、TikTokアプリ内に「ショップタブ」というショッピング専用のエリアも新設されました。このタブでは、ユーザーがさまざまな商品を検索・閲覧・購入できるだけでなく、TikTok独自のアルゴリズムによるパーソナライズされた「おすすめ機能」も搭載されています。
これにより、TikTokは単なるSNSではなく、アプリ内で買い物が完結するECモール型プラットフォームとして進化しました。
ショップ広告
TikTokの広告ソリューションの一つとして、自社商品の認知拡大・購買促進に活用できる「ショップ広告」も追加されました。
TikTok広告はこれまで、認知拡大に強い広告手法として活用されてきました。しかしショップ広告の登場により、動画視聴から購入までをTikTokアプリ内でワンストップで完結できるようになり、直接的な売上アップも狙えるようになりました。
アフィリエイトプログラム
広告費ゼロで拡散・売上を狙える成果報酬型サービスが「TikTok Shop アフィリエイト」です。
インフルエンサーを指定せずに自由に販売してもらう「オープン型」と、指定したインフルエンサーに販売を依頼する「ターゲット型」の2種類がラインナップされています。
TikTokクリエイターの影響力を活用して販促を進めたい場合に便利な機能です。
TikTok Shopのメリット
ここまで紹介したポイントも含め、TikTok Shopのメリットとしては次の6点が挙げられます。

- 潜在顧客へリーチしやすい
- 購買意欲を高めやすい
- シームレスに商品を購入してもらえる
- 効果測定がしやすい
- アフィリエイトを活用したインフルエンサーマーケティングも可能
- TikTok Shop広告によるリーチ数の最大化も可能
これらに魅力を感じる方は、ぜひTikTok Shopを活用してみてください。それぞれのメリットについて詳しく解説します。
潜在顧客へリーチしやすい
TikTokはレコメンド中心のSNSであるため、拡散性が高く、新規顧客へのリーチ力が非常に高いのが特徴です。
とくに新商品の販売やキャンペーン告知など、幅広い潜在顧客にアプローチしたい場合にTikTok Shopは有効です。動画を見たその場で商品詳細ページに移動し、アプリ内で購入まで完結できるため、広告から購買までの流れをスムーズに設計できます。
購買意欲を高めやすい
TikTok Shopでは動画を活用して商品を紹介できるため、静止画中心のECサイトよりも購買意欲を喚起しやすいというメリットがあります。
ユーザーの購買意欲を高める構成、たとえば冒頭の5〜10秒でベネフィットを示し、そこから詳細説明→CTAのような構成の動画を制作すれば、通常のECサイトよりコンバージョン率を高められるでしょう。「使い方」や「ビフォーアフター」なども含めれば、より説得力のある販促動画になります。
また、ユーザーからの質問にリアルタイムで答えられるライブショッピングも、購買意欲を高めやすいためおすすめです。
シームレスに商品を購入してもらえる
別サイトに遷移させることなく、TikTokアプリ内だけで購入が完了することもTikTok Shopならではのメリットです。
繰り返しとなりますが、購買意欲はページ移動などの“障壁”のたびに減少していきます。ページを移るたびに、気持ちが冷静になりやすいためです。このような課題を解決するため、TikTok Shopはシームレスな購買体験ができるよう工夫されています。
買い物カート付きショート動画、ライブショッピング、ショップページ(商品ショーケース)、ショップタブといった購入ルートはいずれもアプリ内で購入を完結することが可能なので、ユーザーの購買意欲を妨げません。
効果測定がしやすい
TikTok Shopは商品閲覧→タップ→購入までプラットフォーム内で完結するため、データが途切れることなく、効果測定がしやすい点も特徴です。
たとえばTikTok Shopの管理画面からは、どの動画から商品詳細へ何回アクセスがあったのか、TikTok Shop広告がどのくらい売上につながったのかをチェックできます。どのコンテンツが売上に貢献しているか把握しやすく、PDCAサイクルを回しやすいことは大きなメリットといえるでしょう。
アフィリエイトを活用したインフルエンサーマーケティングも可能
「TikTok Shop アフィリエイト」を活用すれば、費用対効果の高いインフルエンサーマーケティングが可能なこともメリットの一つです。
TikTokでは多くのクリエイターがインフルエンサーとして活動しています。これらインフルエンサーを「単価×フォロワー数」で算出された広告費で起用することも、認知拡大のためには有効ですが、必ずしも広告費が売上に直結するとは限りません。
しかしTikTok Shop アフィリエイトは一種の成功報酬型広告であるため、広告費を確実に売上につなげられます。
TikTok Shop広告によるリーチ数の最大化も可能
すでに言及しているとおり、オーガニック投稿だけでは届かない層にアプローチするには、TikTok Shop広告を併用するのがおすすめです。
新商品のローンチ初期や期間限定商品の販売など、短期間で一気にリーチを広げたい場面でも有効です。オーガニックコンテンツと広告を組み合わせることで、ECマーケティング戦略を強化できます。
なお、TikTok Shop広告には、以下の3タイプがあります。
| 種類 | 特徴 |
| Video Shopping広告(動画ショッピング広告) | TikTok動画にショッピングオプションを追加して商品宣伝 |
| LIVE Shopping広告(ライブショッピング広告) | LIVE動画にショッピングオプションを追加して配信 |
| Product Shopping広告(商品ショッピング広告) | 商品詳細ページの画像と情報を使用して広告作成 |
参考:TikTok Shop広告について | TikTok for Business
TikTok Shopの活用がおすすめな業界
TikTok Shopはさまざまな業種業態で活用できますが、とくに活用がおすすめな業界としては次のような例が挙げられます。
- 美容
- ファッション
- ガジェット系

それぞれの業界における活用例を見ていきましょう。
美容
コスメやスキンケア用品など、美容関連の商品はTikTok Shopとの相性が非常にいいジャンルです。たとえばファンデーションを塗る前後のビフォー・アフター動画や、右半顔だけに塗った色味比較動画などを活用すれば、商品の効能を数秒で伝えられます。
また、ライブ配信でインフルエンサーに実際の使用シーンを紹介してもらえば、リアルタイムで使用感をアピールでき、視聴者の購買意欲をさらに高められます。
ファッション
TikTokには流行に敏感なユーザーが多いため、ファッション領域(アパレル領域)との相性にも優れています。
たとえば、おすすめコーディネートを紹介する動画で、モデルが着用している各アイテムに商品タグを設定しておくと、視聴者は気になった商品の詳細情報をその場で確認でき、スムーズに購入へと進めます。
さらに、トレンドを取り入れた着回し動画やライブ配信での試着・スタイリング提案を組み合わせれば、より効果的な販促ができるでしょう。
ガジェット系
ショート動画は使い方を直感的に伝えられるため、スマホ周辺機器や小型家電、生活家電などのガジェット系商品はTikTokでも人気が高いジャンルのひとつです。
これまでは単にユーザーの興味を惹きつけるだけのケースが多かったものの、TikTok Shopを活用すれば、その場で商品ページに遷移できるため、「欲しい」と思った瞬間に購入へつなげられます。
TikTok Shopの費用
TikTok Shopは初期費用や月額料金はかからないものの、一種の決済ツールであるため、クレジットカードなどと同じく「販売手数料」がかかります。
日本におけるTikTok Shop決済手数料は、1件の注文につき売上の7%です。
参考:TikTok Shopの手数料|TikTok Shop Academy
TikTok Shopの始め方
TikTok Shop機能は、次の3ステップで利用を始められます。
- Seller CenterでTikTok Shopのアカウント開設
- 銀行口座をショップに紐づけ
- ショップに商品を追加
工程ごとの手順を見ていきましょう。
1.Seller CenterでTikTok Shopのアカウント開設
まずはTikTokの「Seller Center」で、TikTok Shopのアカウントを開設します。

このとき必要なのは、TikTokアカウント、メールアドレス、電話番号のいずれかです。TikTokアカウントがなくても開設は可能です。
企業としてアカウントを開設する場合に必要なのは、次のような情報です。
- 事業者証明書(登記事項証明書または印鑑証明書)
- 代表連絡先の身分証明書(パスポート・運転免許証・在留カードのいずれか)
- 代表連絡先の住所証明(公共料金の請求書・住民票・銀行の取引明細書・クレジットカードの請求書のいずれか)
これらの情報を登録し、本人認証が完了したらショップ情報を登録します。
主な登録項目は次のとおりです。
- ショップ名
- ショップの代表者名
- お問い合わせ電話番号
ここまで登録したら、TikTok Shopの開設審査を待ちます。審査完了までにかかる期間は1~5日程度です。
2.銀行口座をショップに紐づけ
TikTok Shopの販売者アカウントが認証されたら、ショップ運営に必要な情報を設定していきます。
まずは銀行口座を紐づけておきましょう。

3.ショップに商品を追加
つづいて商品情報を追加していきます。商品の追加方法は、次の3パターンです。
- 単一の商品をアップロードする
- 商品を一括でアップロードする
- TikTok Shopを既存の外部ECショップに同期させる(Shopifyからの追加が可能)
1商品につき最大300種類のSKUを設定できるため、アパレル用品なども分かりやすく管理できます。
SKU
サイズやカラーなど商品のバリエーションごとに付ける管理用コードのこと。
商品を追加したら、動画コンテンツに商品タグを付けたり、TikTok Shopアフィリエイトを活用したりして、販促をスタートしましょう。
TikTok Shopで売上を伸ばす6つのポイント
TikTok Shopで売上を伸ばすポイントとしては、次の6つが挙げられます。
- ターゲットを明確にする
- TikTokのトレンドに沿ったコンテンツを配信する
- 購買ルートを使い分ける
- ライブ配信で顧客と交流する
- インフルエンサー・クリエイターの影響力も活用する
- TikTok Shop広告も利用する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
1.ターゲットを明確にする
視聴者の購買意欲を高めるためには、ターゲットの求める情報を端的にコンテンツ化することが重要です。そのためには、ターゲットの明確化が欠かせません。
たとえばファンデーションを販促する場合、20代に向けて発信するのと、40代に向けて発信するのでは、訴求すべき情報が異なるでしょう。
以下は、その違いを整理した一例です。
| ターゲット | 20代 | 40代 |
|---|---|---|
| 主な悩み | 皮脂によるテカり・毛穴など | シミ・色ムラ・乾燥小ジワなど |
| 経済状況 | 給与水準も高くなく、ファンデーションに高額な費用をかけることは難しい | 給与水準も上がり、加齢による悩みも増えているため、美容のためにある程度の費用をかけてもいいと思っているユーザーが多い |
| 訴求ポイント | コスパ崩れにくさなど | カバー力スキンケア成分の有無など |
上記はあくまでも一例ですが、ターゲット層の課題や背景にあわせて、最適な動画コンテンツを制作することが重要です。
2.TikTokのトレンドに沿ったコンテンツを配信する
TikTokには、その時々のトレンドがあります。効率よくリーチ数を伸ばすためには、このトレンドに沿ったコンテンツを配信することが重要です。
つまり一度動画を作ったからといって、それを使い続けられるわけではありません。一度作った動画を長期間使い続けるのではなく、常に新しい動画を制作し、トレンドに沿った更新体制を整えることが、TikTok Shopで売上を伸ばすカギとなります。
3.購買ルートを使い分ける
記事前半で紹介したとおり、TikTok Shopはショート動画・ライブ配信・ショーケース・ショップタブなどさまざまな形で活用できます。TikTok Shopで売上を伸ばしていくためには、これら購買ルートごとの特徴を理解することも大切です。
たとえばショート動画は伝えられる情報量が限られるため、1本の動画で訴求する商品は1個、多くても2個までに絞るのがよいでしょう。その分、短時間で強い印象を与え、1つの商品を爆発的に広められる可能性があります。
一方、ライブ配信なら複数の商品を同時に紹介できるだけでなく、ショート動画では伝えきれない細かい魅力や使用感もリアルタイムでアピールできます。
また、ショーケースは自社の商品ラインナップを整理して見せる場として活用し、ショップタブでは競合に埋もれないインパクトを出すことがポイントです。
それぞれのルートの特性を踏まえ、戦略的に組み合わせることで、TikTok Shopの効果を最大化できます。
4.ライブ配信で顧客と交流する
定期的にライブ配信をして、顧客と交流するのもおすすめです。
テレビの通販番組と異なり、TikTokでのライブ配信なら顧客からの質問にリアルタイムで回答できます。そしてTikTok Shop機能を使えば、配信画面から直接購入してもらうことも可能です。
通販番組よりも訴求力が高く、なおかつ購入障壁が低いことは、TikTokのライブショッピングならではの強みといえます。
5.インフルエンサー・クリエイターの影響力も活用する
TikTokならではの強みを活かすためには、インフルエンサー・クリエイターの影響力も重視すべきです。自社商品のターゲット層のフォロワーが多いインフルエンサーとコラボできれば、効率的に購入数を伸ばせます。
ただし、インフルエンサーとの関係をゼロから構築することは簡単ではありません。「オープン型」のアフィリエイトプログラムを開始したとしても、インフルエンサーに取り上げてもらえないこともあります。
そのため、インフルエンサーと本格的にコラボしたい場合は、キャスティングにも対応できる広告代理店への相談がおすすめです。アドマーケットでもTikTokを活用したインフルエンサーマーケティングに取り組んでおり、戦略立案・キャスティング・配信後の分析までワンストップで対応しています。600名以上のインフルエンサーの中からマッチングが可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。
6.TikTok Shop広告も利用する
オーガニックコンテンツだけでは拡散力に限界があると感じた場合は、TikTok Shop広告も積極的に利用していくとよいでしょう。
TikTok Shopはアプリ内で購入まで完結させる販売機能であり、TikTok Shop広告はその商品やライブ配信を拡散して訴求を強化します。オーガニック投稿だけでは届きにくい層にアプローチしたいときに有効です。
とくに短期間で成果を出したい場合や、どの動画コンテンツが売上につながりやすいか効率的にテストしたい場合は、広告でリーチ数を増やすのがおすすめです。
TikTok Shop広告の使い方
TikTok Shop広告を配信する手順は次のとおりです。
- TikTok広告マネージャーで「広告を作成」をクリック
- 広告目的は「販売」、商品ソースは「TikTok Shop」を選択
- キャンペーン情報を入力し、ショップ広告のタイプは「商品ショッピング広告」を選択
- 『商品ソースの詳細セクション』で「TikTok Shopを選択」をクリックし、商品ソースとして使用するショップを選択
- 『入札と最適化セクション』で最適化目標を選択(総利益・購入数・クリック数のいずれか)
- 『商品詳細セクション』で宣伝したい商品を選択(ショップ内すべての商品・特定の商品のいずれか)
- 配信開始
配信設定をした広告は審査に問題がなければ、TikTokの「おすすめ」と「ショップタブ」の検索で表示されます。
まとめ
2025年6月に日本市場でサービス開始されたTikTok Shopは、SNSとECプラットフォームを融合させた新しいコマース機能です。これにより、これまで以上にTikTok経由での売上拡大が期待されています。
しかし売上を伸ばすためには、購買意欲を高められる動画コンテンツを配信しなければなりません。また、TikTok Shop広告を使ったりインフルエンサーとコラボしたりする場合、独自の運用ノウハウも必要です。
TikTok経由の売上を効率よく伸ばしたい方は、ぜひアドマーケットにご相談ください。
アドマーケットは「動画制作」と「TikTok広告の配信」の両方に対応しており、必要に応じて「インフルエンサーの起用」もお任せいただけます。TikTok広告でどのくらいの成果が見込めるのか、無料シミュレーションすることも可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
