2025.11.11
Web広告リスティング広告のメリットとは?効果を最大化するコツも解説

Web広告にはさまざまな種類がありますが、その中でも「リスティング広告」はもっともポピュラーな配信手法の一つです。
しかし、「なぜリスティング広告は多くの企業に利用されているのか」「どのような効果が得られるのか」がわからず、出稿するか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、リスティング広告のメリットとデメリットをふまえつつ、成果を最大化するコツを詳しく解説します。これから広告出稿を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
リスティング広告とは?
まずはリスティング広告がどのような広告なのか、詳しく見ていきましょう。
リスティング広告は「検索語句(検索クエリ)」に連動して表示される、テキスト形式の広告のことです。あるクエリを検索すると、次の画像のように、検索結果を挟むようにリスティング広告が表示されます。

なお、「検索クエリ」とはユーザーが実際に検索した語句、それに対して「検索キーワード」は広告主が出稿する語句のことを指します。
主な配信媒体
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれるとおり、GoogleやYahoo!、Microsoft広告(Bing)などの検索エンジン上に広告を掲載できる仕組みが特徴です。
この中で、日本国内の検索ユーザーがもっとも多いのはGoogleです。そのため出稿先に迷う場合は、Google広告へ出稿するといいでしょう。
ただし、中年~高齢層はYahoo!を使っていることも多いです。そのためターゲット層に応じてYahoo!広告を組み合わせるのも効果的です。
本記事ではGoogle広告を前提に解説しますが、基本的な構造や考え方は他の媒体でも同じです。
課金方式
リスティング広告は基本的に、クリックされたときのみ課金されます。検索結果に表示されただけでは費用がかからないため、費用対効果を高めやすいのが大きな特徴です。
なお、リスティング広告は1回の検索ごとに広告表示枠が限られているため、クリック単価(CPC)はオークションによって決まります。
CPC(Cost Per Click)
広告が1回クリックされるごとに発生する費用のこと。広告費 ÷ クリック数で算出され、クリック単価とも呼ばれる。
ただし、入札単価(上限クリック単価)を高く設定しても、必ず広告が表示されるわけではありません。検索結果に表示される広告は「広告ランク」という指標によって決まり、広告ランクが高いものから優先的に表示されます。
広告ランクは、主に次の3つの要素によって判定されます。
- 上限クリック単価(設定した1クリックあたりの入札上限)
- 広告の品質(広告文やリンク先ページの関連性・ユーザー体験など)
- 広告表示オプションなどの追加要素
なお、広告表示オプションは設定することで広告がより目立ちやすくなり、クリック率の向上を通じて広告ランクにも良い影響を与えます。ただし、オプションはあくまで補助的な要素であり、設定しても必ず表示されるわけではありません。
リスティング広告のメリット
さて、リスティング広告のメリットとしては、次の6つが挙げられます。
- 低額から出稿できる
- ニーズ顕在層に効率的にアプローチできる
- 詳細にターゲティングできる
- 出稿内容を柔軟に設定・変更できる
- 広告効果を可視化しやすい
- 即効性が高い
- AIによる自動化機能で運用効率を高められる
これらをふまえると、リスティング広告は中小企業から大企業まで幅広い場面で活用しやすい広告手法といえます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
低額から出稿できる
リスティング広告のCPCは業種・商材によっても異なりますが、数十円〜1,000円程度に収まることが多いです。さらに、最低出稿金額の制限がないため、まずは少額で試験的に配信することも可能です。
ただし、広告の成果を出すためには、一定以上の表示回数(インプレッション)を確保する必要があります。表示状況をもとにPDCAを回しながら運用していくことを考えると、最低でも月10万円程度の広告予算を確保するのがおすすめです。
それでもテレビCMなどのマスメディア広告と比較すると、リスティング広告は非常に低コストで始められるため、中小企業でも取り組みやすいのが大きな魅力といえるでしょう。
ニーズ顕在層に効率的にアプローチできる
Webで検索を行うユーザーは、すでに商品やサービスに対するニーズが明確になっている(顕在化している)ケースが多く、コンバージョンにつながりやすいといわれています。
コンバージョン
Web上で発生する利益につながるアクション。問い合わせ、購入、資料請求など。広告出稿の最終的な目的となる重要指標。
さらに、多くのユーザーは検索結果ページの上から順にクリックしていく傾向があります。
つまり、リスティング広告でオークションに勝ち、検索結果で上位表示できれば、購買意欲が高いユーザー(ニーズ顕在層)へ効率的にアプローチできるのです。
詳細にターゲティングできる
リスティング広告は、検索キーワードだけでなく以下の条件でもターゲティングが可能です。
- 地域
- デバイス(PC・スマートフォンなど)
- 年齢・性別
- ユーザーの興味・関心
とくにGoogle広告は細かい設定ができるため、ターゲット層に合わせた柔軟な広告配信が実現できます。一方で、Yahoo!広告では一部制限があるため、より精密な設定をしたい場合はGoogle広告の活用が適しています。
出稿内容を柔軟に設定・変更できる
リスティング広告は、配信開始後でも内容を柔軟に変更可能です。
たとえば以下のような設定を運用状況に応じて調整できます。
- 広告文の修正
- 上限予算や入札単価の調整
- 配信する曜日や時間帯の設定変更
- LP(ランディングページ)の内容差し替え
LP(ランディングページ)
広告から流入したユーザーをコンバージョンさせるためのページ。1ページ完結型の縦長の構造であるケースが多い。
また、必要に応じて広告配信を一時停止したり再開したりすることもできるため、少額から試しに始めたい場合でも安心して運用をスタートできます。
広告効果を可視化しやすい
リスティング広告は、広告手法の中でも効果測定がしやすい点が大きな強みです。
たとえば広告費10万円、1コンバージョンあたりの利益2,000円の場合を例に考えてみましょう。この場合、損益分岐点はコンバージョン50件です。もしコンバージョンを60件確保していたら、純利益は2万円と計算できます。(総利益12万円ー広告費10万円=純利益2万円)
さらに広告の数値を分解してみると、改善ポイントがより明確になります。
たとえば以下のような条件を考えてみましょう。
| 指標 | 条件 |
|---|---|
| 表示回数(インプレッション) | 10万回 |
| クリック率(CTR) | 5% |
| CVR(コンバージョン率) | 1% |
この条件では、最終的なコンバージョン数は50件です。
CTRを5%→6%に上げる、もしくは表示回数を10万回→12万回に増やすことで、コンバージョン数を60件に改善可能です。
このように、効果を数値で把握できるため、次の施策を立てやすいのがリスティング広告の大きなメリットといえるでしょう。
即効性が高い
SEOでは成果が出るまでに半年〜1年以上かかることも珍しくありません。一方、リスティング広告は即効性が高く、短期間で成果を確認できる点が強みです。
入札額や広告品質を調整すれば、比較的すぐに上位表示が可能で、配信データをリアルタイムで確認しながら高速にPDCAを回せるため、改善のスピードも早くなります。
短期間で集客したい、キャンペーンを期間限定で行いたいといった場面で最大限の効果を発揮する広告手法といえるでしょう。
AIによる自動化機能で運用効率を高められる
近年のGoogle広告やYahoo!広告では、AIによる自動化機能が標準化されており、これまで人手で行っていた調整作業を大幅に削減しながら、広告効果の改善サイクルをスピーディーに回すことが可能です。
リスティング広告は最新の技術を取り入れることで、より少ない工数で成果を上げやすい広告手法へと進化しているといえるでしょう。ただし、すべてをAIに任せられるわけではなく、人の工夫や判断を加えることでより安定した運用につながります。

リスティング広告のデメリット・注意点
ここまで紹介したとおり、リスティング広告には多くのメリットが存在します。しかし出稿にあたっては、次のようなデメリットが存在することも知っておきましょう。
- ニーズ潜在層にはアプローチしづらい
- ユーザーから敬遠される可能性もある
- 出稿キーワードによってはクリック単価が高額になる
- 運用するためには知識・時間が必要
- AI Overviewsによる検索結果画面の変化に注意
それぞれ詳しく解説します。
ニーズ潜在層にはアプローチしづらい
リスティング広告は、ユーザーが特定の検索キーワードを入力した際に、その検索結果ページへ広告が表示される仕組みです。この特性上、すでに課題や商品・サービスに対するニーズが明確になっている「顕在層」へのアプローチが中心となります。
一方で、まだ自分のニーズに気づいていない「潜在層」には、直接的にアプローチすることが難しいというデメリットがあります。
こうした潜在層への認知拡大を図るには、YouTube広告やディスプレイ広告、テレビCMなど、ニーズを掘り起こすための広告手法を組み合わせて活用することが効果的です。
ユーザーから敬遠される可能性もある
リスティング広告は、検索結果ページでオーガニック検索(自然検索)の結果よりも上位に表示される仕組みです。そのため、出稿するキーワードによっては、ユーザーに広告としての押しつけ感や違和感を与えてしまう可能性があります。
たとえば、以下のような例です。
- 「〇〇 口コミ」「〇〇 評判」など、消費者が第三者の意見を求めて検索している語句
- 「〇〇 返品」「〇〇 クレーム」など、ネガティブな意図を含む語句
これらのキーワードに広告が表示されると、ユーザーはあまりよい印象を持ちません。
むしろ、「広告が表示されている=都合の悪い情報を隠そうとしているのでは?」と疑われ、ブランドイメージが損なわれるリスクすらあります。
そのため、出稿時はキーワード選定に十分注意しましょう。とくに、検索意図と広告内容が合わないケースや、ネガティブな意図が強い語句への出稿は控えましょう。
出稿キーワードによってはクリック単価が高額になる
リスティング広告はオークション形式であるため、出稿キーワードによってはCPC(クリック単価)が高額になることもあります。
さらに、リスティング広告はクリックされるたびに課金される仕組みのため、コンバージョンが発生しなくても広告費は消化されてしまいます。
その結果、コンバージョンにつながらないキーワードに出稿し続けると、広告予算だけが減っていくという事態に陥る可能性があります。費用対効果を保つには、コンバージョンにつながりやすい語句へ絞り込む運用が重要です。
運用するためには知識と時間が必要
リスティング広告で成果を出すためには、一定の知識・時間が求められます。どのような検索キーワードに上限CPCをいくらにして出稿するか、どのように運用して広告ランクを高めていくかなど、多くの判断・調整が求められるからです。
専門的な知識と日々の運用時間が欠かせず、誰でも簡単に運用できるわけではないため、社内で対応が難しい場合は、広告代理店を頼ることをおすすめします。
AI Overviewsによる検索結果画面の変化に注意
最近は検索結果の最上部に「AIによる概要(AI Overviews)」が表示されるケースが増えています。
これにより、オーガニック検索のクリック率が下がるだけでなく、広告のクリック分布にも変化が見られるようになりました。広告が概要の中や直下に掲載されることもあるため、従来以上に広告の表示位置やクリックシェアを確認しながら運用することが重要です。
リスティング広告の成果を最大化する10のコツ
それではリスティング広告の成果を最大化するために意識すべき、10のコツについて見ていきましょう。
- 目的(KGI)を明確にする
- 一定以上の予算をかける
- 掲載順位を向上させる
- 検索意図にマッチする広告文を作る
- 検索意図にマッチするLP(ランディングページ)を作る
- 広告表示オプションを活用する
- 出稿キーワード・マッチタイプを工夫する
- ターゲティングを工夫する
- リスティング広告とSEO対策を併用する
- AIによる自動化機能を活用する
専門的な内容も含まれますが、ひとつずつわかりやすく解説していきます。
1.目的(KGI)を明確にする
リスティング広告で成果を最大化するために、最初に取り組むべきことは、広告運用の最終目的(KGI)を明確にすることです。目的が曖昧なままでは、入札額・広告文・LP(ランディングページ)戦略といった運用上の判断がぶれてしまい、効率的な改善ができません。
そのため、まずはKGIを設定し、その達成に向けて具体的なKPIを紐づけることが重要です。KPIを設定することで、現状の進捗を客観的に把握しやすくなり、改善ポイントも明確になります。
KGIとKPIの違い
KGI(重要目標達成指標):広告運用の最終ゴール
KPI(重要業績評価指標):KGIを達成するための中間目標や評価指標
KGIとKPIの関係を具体的にイメージできるように、代表的なケースを例に挙げてみましょう。
- KGIが「月間売上」の場合
→KPIはコンバージョン数、ROAS(広告費用対効果)、クリック数など
- KGIが「アプリのダウンロード数」の場合
→KPIはインストール率(コンバージョン率)、副KPIとしてクリック数
このように、KGIとKPIをしっかりと紐づけておくことで、運用の軸がぶれず、成果の最大化につながります。
2.一定以上の予算をかける
リスティング広告は数万円未満で出稿することも可能ですが、広告予算が少なすぎると表示回数が十分に確保できず、クリック数も伸びにくくなります。
クリック数が増えないと、広告配信プラットフォームのアルゴリズムが学習・最適化を行うためのデータが不足してしまい、成果が出づらくなるという課題があります。
そのため最短で成果を出すためには、一定以上の予算をかけることも重要です。目安としては、1か月あたり10万円程度の広告予算を設定すると、データが集まりやすく、最適化も進めやすくなります。
3.掲載順位を向上させる
検索ユーザーは、検索結果ページで上位に表示されている広告や情報から優先的にクリックする傾向があります。そのため、広告をできるだけ上位に表示させることが、クリック率(CTR)の改善と成果最大化の第一歩です。
たとえば広告表示回数が1万回、コンバージョン率(CVR)が1%の場合、掲載順位を上げてクリック率が向上すると、アクセス数とコンバージョン数は以下のように変化します。
| クリック率 | アクセス数 | コンバージョン数 |
|---|---|---|
| 1% | 100 | 1 |
| 2% | 200 | 2 |
| 5% | 500 | 5 |
| 10% | 1,000 | 10 |
このように、掲載順位を上げてクリック率が改善されるだけでも、売上や成果に大きな差が生まれることがわかります。
掲載順位を向上させるには、「広告ランク」を高めることが不可欠です。単に上限クリック単価(CPC)を高く設定するだけではなく、以下のような施策を組み合わせて取り組みましょう。
- 広告の品質を高める
→広告文やリンク先LPを改善し、ユーザーにとって魅力的かつ関連性の高いものにする
- 広告表示オプションを活用する
→広告を目立たせ、クリック率を上げやすくする
これらをバランスよく改善することで広告ランクが上がり、掲載順位の向上につながります。結果として、クリック率の上昇と広告費用対効果の改善が期待できるでしょう。
関連記事:リスティング広告のクリック率の平均は?CTRを改善する方法10選も解説!
4.検索意図にマッチする広告文を作る
上述したとおり、リスティング広告の成果はクリック率によって変化します。そしてクリック率は掲載順位だけではなく、広告文の内容にも大きく左右されます。
広告文とは、下記の図赤枠部分の検索結果ページに表示されるリスティング広告そのものの文章部分を指します。ユーザーが広告をクリックするかどうかは、この広告文の魅力によって決まるといっても過言ではありません。

たとえ検索順位が競合に負けていても、検索意図にマッチする広告文であれば、クリック率が高まります。
たとえば「不動産 査定 費用」という検索キーワードなら、「無料査定」など、費用に関するメリットを伝える広告文が有効です。一方、「不動産 査定 簡単」と検索するユーザーなら、「今すぐ」「最短〇秒」など、スピード感をアピールする広告文が響きやすいでしょう。
このように、ユーザーが何を求めて検索しているのかを考慮した広告文を作ることで、クリック率(CTR)を向上させることができます。結果として、クリック単価(CPC)を抑えながら効率的に成果を上げることも可能になります。
5.検索意図にマッチするLP(ランディングページ)を作る
リスティング広告の最終的な目的は、コンバージョンを獲得することです。そのため、広告文だけでなく、検索意図に合ったLP(ランディングページ)を用意することが欠かせません。
たとえば、広告文で「無料査定」というメリットを訴求して集客したにもかかわらず、実際にLPでは「最短〇秒で査定!」といった簡易性だけを強調していた場合、ユーザーは「広告と内容が違う」と感じ、違和感を覚える可能性があります。こうしたミスマッチを防ぐためには、広告文とLPのメッセージを一致させ、一貫性を持たせることが重要です。ユーザーが広告をクリックしてからコンバージョンに至るまで、スムーズな導線を意識しましょう。
さらに、LPの品質は広告ランクにも影響します。つまり、検索キーワード・広告文・LPがうまく連動していれば、コンバージョン率を高められるだけでなく、広告ランクが上がり、オークションで有利に戦えるようになります。
リスティング広告で成果を最大化するためには、検索キーワード → 広告文 → LPの流れを一貫させることを常に意識しましょう。
6.広告表示オプションを活用する
リスティング広告では、広告文に加えて電話番号やリンク先、住所、価格情報などの追加情報を表示できます。これらを設定できる機能が広告表示オプションです。
広告表示オプションを活用することで、広告が検索結果ページ内でより目立ち、クリック率(CTR)の向上が期待できます。さらに、ユーザーが広告文を見たその場で電話をかけてきたり、特定のページに直接アクセスしたりするなど、コンバージョンにつながるアクションを増やせるのも大きなメリットです。
広告表示オプションを上手に活用することで、広告文だけでは伝えきれない情報を補足し、ユーザー行動を後押しできるため、積極的に設定しておきましょう。
7.出稿キーワード・マッチタイプを工夫する
リスティング広告では、検索ユーザーが入力した検索語句と、広告主が設定したキーワードがどの程度一致しているかによって、広告が表示されるかどうかが決まります。この仕組みを「マッチタイプ」と呼びます。
マッチタイプには以下の3種類があり、それぞれで広告が表示される範囲が異なります。
| マッチタイプ | 表示対象 | |
|---|---|---|
| 完全一致 | キーワードとまったく同じ 意味・意図の検索語句 | 表記ゆれ・語順違い・誤字脱字も表示対象 もっとも絞り込み精度が高い設定 |
| フレーズ一致 | キーワードと同じ意味を含む 検索語句 | キーワードと検索語句に差があっても、同じ意味に解釈できれば表示される 検索キーワードよりも具体的な情報を追加した検索にも表示できる |
| インテントマッチ(旧 部分一致) | キーワードに関連する検索語句 | キーワード自体が含まれていなくても表示対象になる もっとも広い範囲にリーチ可能 |
たとえば「京都 温泉」というキーワードで出稿した場合、表示される検索語句の例は次のとおりです。
| マッチタイプ | 検索語句例 |
|---|---|
| 完全一致 | 京都 温泉 温泉 京都 京都府 温泉 |
| フレーズ一致 | 京都 温泉 おすすめ 一人旅 温泉 京都 京都駅から近い温泉 |
| インテントマッチ | リフレッシュ旅 京都 週末 癒しスポット 京都 など |
このように、設定するマッチタイプによって広告が表示される範囲は大きく変わります。そのため、目的やターゲットに合わせてマッチタイプを選び分けることが重要です。
それぞれのマッチタイプには、次のような特徴と注意点があります。
- 完全一致
表示対象をもっとも絞り込めるため、ニーズが明確な顕在層にアプローチしやすいのがメリットです。ただし、競合が多いほどCPC(クリック単価)が高騰しやすい点には注意が必要です。
- インテントマッチ
広い範囲に広告を表示でき、見込み客にもリーチできる可能性があるという利点があります。その反面、関連性が低い検索語句にも広告が表示されやすく、クリック率(CTR)が下がりやすい傾向があります。
- フレーズ一致
完全一致とインテントマッチの中間に位置する設定です。特定のテーマを中心に、ある程度の幅を持たせて広告を表示したい場合に適しています。
このように、マッチタイプにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
自社の商品や広告の目的に合わせて組み合わせるとともに、不要な検索語句への表示を防ぐ「除外キーワード」を活用することで、より効率的な運用が可能になります。
8.ターゲティングを工夫する
同じ検索キーワードでも、いつ・どのようなユーザーに広告を表示するかによって、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)は大きく変わります。
たとえば、社会人向けの英語教材を販売する場合は以下の工夫が考えられます。
- 年齢ターゲティング
→高校生や大学生には表示せず、社会人だけに広告を配信する
- 時間帯ターゲティング
→通勤時間帯やお昼休みなど、社会人が検索を行いやすい時間に配信を集中させる
このように、検索キーワードだけでなくユーザー属性や行動パターンをふまえたターゲティングを行うことで、より効率的に見込み顧客へアプローチできます。
9.リスティング広告とSEO対策を併用する
リスティング広告でコンバージョン率(CVR)が高いキーワードは、SEO対策を並行して進めるのがおすすめです。検索結果で自然に上位表示を獲得できれば、広告費を抑えながら継続的に見込み顧客を獲得できます。
一方、競合が強くSEOだけで上位表示を狙うのが難しい検索語句は、リスティング広告で補完することが効果的です。これにより、重要なキーワードを取りこぼさず、効率よく集客につなげられます。
このように、短期的な成果をリスティング広告で、長期的な集客基盤をSEOで構築することで、Webマーケティング全体の効果を最大化できるのです。
10.AIによる自動化機能を活用する
リスティング広告は、AIによる自動化をうまく取り入れることで成果をさらに高めることが可能ですが、正しい活用法を知っておくことが大切です。
たとえば、Google広告の「目標CPA」や「目標ROAS」といった入札戦略を活用すれば、一定のデータを学習したうえで自動的に最適化が進みます。また、自動生成アセットを利用すれば複数の広告文を効率的にテストできるため、改善のスピードを早めることも可能に。
ただし、AIにすべて任せきりにすると意図しない表示が増えることもあるため、検索語句レポートの確認や除外キーワードの設定など、人の目による調整を並行して行うことが重要です。

リスティング広告の活用がおすすめなシーン
さて、ここまで紹介した情報をふまえると、リスティング広告の活用がおすすめなシーンとしては次のような例が挙げられます。
- ニッチな商品・サービスのプロモーション
- 短期間で成果を出したいとき
- 購買意欲の高い顧客に効率的にリーチしたいとき
- SEOやSNSのみでの集客が難しいとき
- 競合に顧客を取られたくないとき
- テストマーケティング
それぞれのシーンの具体的な活用方法を詳しく見ていきましょう。
ニッチな商品・サービスのプロモーション
ニッチな商材を効率よく届けるには、完全一致やフレーズ一致を軸にした配信が有効です。
検索意図に合致したクエリだけに絞り込めるため、ニーズが顕在化している層へ無駄なくリーチできます。そのうえで成果を最大化するには、ユーザーが実際に使う検索語句の調査と精査が欠かせません。
こうしたリスクを避けるためには、まずは完全一致でテストして実際に検索されている語句を把握し、反応がよい語句が見つかったらフレーズ一致で配信範囲を少しずつ広げ、関係の薄い語句は除外キーワードで早めに排除します。さらに、地域や時間帯などでターゲティングを調整すれば、限られた市場でも無駄なくコンバージョンを獲得できます。
短期間で成果を出したいとき
リスティング広告は、即効性が高いマーケティング手法です。出稿すればすぐに検索結果に広告が表示されるため、短期間でコンバージョンを獲得したい場合に適しています。
たとえば「1か月以内に成果を出したい」というケースでも、広告配信と同時にデータ収集と改善を進められるため、スピーディーに結果を出すことが可能です。
一方、SEOなど他の施策は成果が出るまで時間がかかるため、限られた期間で確実に成果を求めるなら、リスティング広告の活用が効果的です。
購買意欲の高い顧客に効率的にリーチしたいとき
「価格」「最安」「在庫」「近く」など、購買意欲が高いユーザーが使う検索語句を中心に配信戦略を設計すれば、見込み度の高い顧客に効率的にアプローチできます。
ただし、これらのキーワードは競合も多く入札しているため、広告文やLPの品質を高めて広告ランクを上げることが重要です。広告ランクを改善することで掲載順位を維持しやすくなり、限られた広告費でも効果的な集客につながります。
SEOやSNSのみでの集客が難しいとき
これまでSEOやSNSを中心に集客してきたものの、思うように成果が伸びないと感じている場合は、リスティング広告を併用するのがおすすめです。
リスティング広告を活用すれば、短期間で集客数を増やしながらデータを蓄積できるため、SEOやSNSではカバーしきれない層にも効率的にアプローチできます。さらに、中長期的にはSEOやSNSにも取り組み続けることで、安定した集客基盤を構築できるでしょう。
競合に顧客を取られたくないとき
自社の見込み客を競合に奪われたくない場合にも、リスティング広告は効果的です。
実はリスティング広告は、指名キーワードにかぶせて出稿できます。たとえば「自社商品名 ○○」と検索しているユーザーは、すでに自社に興味を持っている可能性が高い見込み客です。
しかし、ここに競合の広告が出てしまうと、自社サイトへ訪れる前に他社に流れてしまうリスクがあります。
こうした損失を防ぐために、あえて自社指名検索語句にも広告を出稿して、自社サイトへの流入を確保する施策が行われることもあります。
テストマーケティング
リスティング広告は即効性が高く、設定変更も柔軟にできるため、テストマーケティングにも適した手法です。広告文やLPを複数パターン用意して配信し、どの訴求がもっとも効果的かを短期間で検証できるのが大きなメリットです。
これにより、ユーザーがどのようなニーズやメッセージに反応するのかを効率的に把握し、その後の本格的な施策に活かせます。
リスティング広告を運用するときの6つの注意点
ここまで紹介してきたとおり、リスティング広告は非常に魅力的な広告手法です。ただし成果をより最大化するためには、次の6つのポイントにも注意して運用しましょう。
- 規約や広告ポリシーを遵守する
- 配信するキーワードを増やしすぎない
- 予算の消化ペースを計画する
- 継続的な改善を前提にする
- コンバージョンタグを設定する
- 無理に社内運用せず広告代理店を頼る
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
1.規約や広告ポリシーを遵守する
リスティング広告を運用する際は、各媒体が定める広告ポリシーや規約を必ず確認・遵守しましょう。誇大表現や虚偽のアピールを含む広告を配信すると、アカウント停止や広告配信の停止といった重大なペナルティを受ける可能性があります。
さらに、リスティング広告も他の広告と同様に、景品表示法(景表法)や薬機法といった法令を守る必要があります。広告文やLPを作成する際は、必ず事前に表現チェックを行い、法令違反を防ぎましょう。
2.配信するキーワードを増やしすぎない
できるだけ多くのユーザーにリーチしたいと考え、キーワードを増やしすぎてしまうケースがあります。しかし、キーワードを増やしすぎると広告予算が分散し、1語あたりのデータが十分に集まらず、PDCAを効率的に回せなくなるという問題が起きます。
まずは「完全一致」または「フレーズ一致」を中心に絞り込み、少数のキーワードで反応を確認しましょう。効果が出てきたら徐々に範囲を広げ、どの検索キーワードが成果につながりやすいかを見極めていくことが大切です。
3.予算の消化ペースを計画する
広告予算を月単位で設定している企業は多いですが、月末に急いで予算を消化するような運用は避けるべきです。日々の予算配分を計画し、1週間単位で進捗管理することをおすすめします。
曜日や時間帯によってクリック数や消化ペースは変動するため、細かく調整することで無駄な費用を防ぎ、安定した運用が可能になります。
4.継続的な改善を前提にする
リスティング広告は即効性の高い手法ですが、成果を継続的に伸ばすためにはPDCAを回していくことが不可欠です。最適な状態だと思って配信した広告文・LPだとしても、実際の配信結果を確認するとクリック率やコンバージョン率に改善の余地が見つかるケースは少なくありません。
ただし、頻繁に設定を変えすぎるとアルゴリズムの自動最適化がうまく機能しなくなる可能性があります。最低でも月に1回は配信状況を確認し、効果検証と改善を繰り返す運用を心がけましょう。
5.コンバージョンタグを設定する
リスティング広告では、各配信媒体ごとに「コンバージョンタグ(計測タグ)」が用意されています。このタグをLPに設置することで、どの広告がコンバージョンにつながったのかを正確に計測でき、配信をより効率的に最適化できます。
リスティング広告で成果を出すためには広告管理画面での設定だけでなく、LP側の計測環境を整えることが欠かせません。配信前に必ずタグを設定し、正しいデータをもとに改善を進めていきましょう。
6.無理に社内運用せず広告代理店を頼る
これまで紹介してきたとおり、リスティング広告は一見シンプルに見えますが、実際には戦略設計から運用、効果測定まで幅広い知識が求められる複雑なマーケティング手法です。
専門的な知識やリソースが社内にない場合は、広告代理店に相談することを検討しましょう。
代理店に依頼すると広告費の20%前後の手数料が発生しますが、その分、設定や分析、改善提案まで一貫してサポートしてもらえるため、費用対効果を最大化できます。
また、リスティング広告だけでなく、SEOやSNSなど複数の施策にも精通している代理店を選ぶことで、より包括的なマーケティング戦略を立てることが可能です。
まとめ
リスティング広告は、ニーズ顕在層に効率的にアプローチできる、即効性の高い広告手法です。しかし、多くの企業が活用しているため、適切に運用しないとCPC(クリック単価)が高騰し、費用対効果が下がるリスクもあります。
成果を最大化するためには、専門的な知識と継続的な改善が欠かせません。社内で対応が難しい場合は、広告代理店と連携して戦略を立てることで、効率的な運用が可能になります。
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