2026.08.31

SEO対策

オウンドメディアの立ち上げ手順9ステップ|費用や成功のコツも解説

オウンドメディアの立ち上げ手順9ステップ|費用や成功のコツも解説

オウンドメディアの立ち上げには、目的の設定からサイト設計、キーワード選定、公開後の改善まで、踏むべき手順があります。順序どおりに進めることで手戻りを防げるうえ、各工程で何を決めるかによって、公開後に成果が出るかどうかも変わります。運用体制や更新のルールを決めないまま公開すると、担当者の負荷が偏って数か月で更新が止まるケースも少なくありません。

本記事では、SEOコンサルティングからWebサイト制作までを支援するAdMarketが、オウンドメディアの立ち上げ手順9ステップと費用相場、成功のポイントを、自社が支援した事例のデータを交えながら企業のWeb担当者に向けて解説します。

AdMarketのオウンドメディア制作・コンサルティングサービス

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営し、情報発信を行うメディアのこと。広義には公式サイトやメールマガジンも含まれますが、一般的にはブログ形式で記事を発信するWebメディアを指します。

Webマーケティングでは、企業が使う媒体を3つに整理します。費用を支払って掲載する広告がペイドメディア、SNSや口コミなど第三者のプラットフォーム上で発信・拡散される媒体がアーンドメディア、そして自社が保有するオウンドメディアです。この3つを合わせて「トリプルメディア」と呼び、目的に応じて組み合わせて使い分けます。 

活用の幅は、検索エンジンからの継続的な集客、リード獲得、採用広報まで広がります。ただし記事が検索で評価されるまでには時間がかかり、公開してすぐに成果が出るものではありません。だからこそ、立ち上げの段階で全体像を押さえた設計が求められます。

オウンドメディアの立ち上げ手順【9ステップ】

立ち上げ手順の図

オウンドメディアの立ち上げは、以下の9ステップで進めます。

  1. 立ち上げの目的とKGIを明確にする
  2. ターゲットとコンセプトを設計する
  3. 運用体制と役割分担を決める
  4. 必要な機能を洗い出しサイトを設計する
  5. CMS・ドメイン・サーバーを選定する
  6. デザインを実装しサイトを公開する
  7. 対策するキーワードを選定する
  8. コンテンツを制作して公開する
  9. 効果測定と改善をくり返す

ステップ1〜3が公開前の準備、4〜6がサイトの構築、7〜9が公開後も続く運用のフェーズにあたります。各ステップの進め方を順に見ていきましょう。

1.立ち上げの目的とKGIを明確にする

最初に決めるのは、オウンドメディアで何を達成したいのかという目的と、最終目標となるKGIです。目的によって扱うテーマもキーワードも変わるため、ここが曖昧なままでは後続のすべての工程がぶれてしまいます。目的とKGIの設定は、立ち上げの工程全体を方向づける起点になります。

目的は、事業の課題に結び付けて具体化します。目的の設定例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 広告費を抑えながら、検索経由の問い合わせを増やす
  • 商品・サービスの認知を広げ、指名検索を増やす
  • 採用応募の母集団を形成し、入社前の理解度を高める
  • 導入検討中のユーザーの疑問を解消し、商談化率を高める

このレベルまで言語化できると、扱うキーワードの方向性が自然に定まります。

KGIとKPI

KGI(重要目標達成指標)は最終的に達成したい目標、KPI(重要業績評価指標)はその達成度を測る中間指標を指します。「問い合わせ件数」がKGIなら、「検索流入数」はKPIにあたります。

次に、目的を数値目標へ落とし込みます。オウンドメディア経由の問い合わせ件数は、サイトを訪れた人数(セッション数)のうち何%が問い合わせに至るか(コンバージョン率)で決まります。したがって、必要なセッション数はKGIから逆算できます。

勤怠管理システムを提供する企業が「月10件の問い合わせ」をKGIに置く場合、記事経由のコンバージョン率を0.5%と見込むなら、必要なセッション数は月2,000です。1記事あたり月200セッションを獲得できるとすれば、上位表示を狙う記事が10本必要という計算になります。立ち上げ前は自社の実績値がないため、まずはコンバージョン率を0.5〜1%程度と仮定して計算し、公開後に実測値へ置き換えていきます。

KGIから逆算している図

この逆算があれば、必要な記事本数とその制作にかかる期間、予算を根拠付きで説明できます。目標に対して何をどこまで積み上げるのかが明確になり、経営層や関係部署との合意形成も進めやすくなります。

オウンドメディアの目的の類型と決め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:オウンドメディアの目的・役割とは?運用を成功させるポイントも解説

2.ターゲットとコンセプトを設計する

次に、誰へ向けたメディアなのかを定義します。年齢や役職といった属性だけでなく、どのような課題を抱え、どんな言葉で検索するのかまで踏み込んでペルソナを設計すると、キーワード選定や記事企画の判断基準として機能します。

勤怠管理システムのメディアであれば、ペルソナの設定例は以下のようになります。

項目設定例
業種・規模製造業、従業員150名、拠点3か所
部署・役職管理部門の担当者、勤怠管理の実務を担当
抱えている課題紙のタイムカードの集計に月20時間かかり、法改正への対応にも不安がある
検討の状況上長から「システム導入を検討して」と指示され、情報収集を始めた段階
検索に使う言葉「勤怠管理 効率化」
「勤怠管理システム 比較」
「労働時間 集計 方法」

属性の項目を埋めるだけでなく、最後の「検索に使う言葉」まで書き出しておくと、手順7のキーワード選定の出発点になります。BtoB商材の場合は、情報収集から比較検討、社内稟議、問い合わせに至るまでの検討プロセスが長いため、各段階のユーザーへ何を届けるのかの整理も必要です。

そのうえで、「誰のどういった課題に、どの切り口で応えるメディアか」というコンセプトを一文で言語化します。上記の例であれば、「中小製造業の管理部門が、勤怠管理の実務課題を解決するための実践メディア」といった形です。

コンセプトが定まっていれば、公式サイトや広告との役割分担が明確になり、記事のテーマ選定で迷いにくくなります。

3.運用体制と役割分担を決める

運用体制と役割分担の図

公開後の運用を誰が担うのかを、立ち上げの段階で決めておきます。オウンドメディアの運用に必要になる役割は、以下のとおりです。

  • 全体の責任者:目的・KPIの管理と意思決定
  • 編集者:記事の企画・品質管理・スケジュール管理
  • ライター:構成案にもとづく執筆
  • デザイナー:図解やアイキャッチの制作
  • 分析担当:効果測定とリライト対象の特定

すべてを別の人が担う必要はなく、「専任1名が責任者・編集・分析を兼ね、執筆と図解は外部パートナーに委ねる」といった少人数の体制でも運用は成立します。役割ごとに担当者名を書き出し、空欄が残る役割は外注するかどうかを公開前に決めておきます。

あわせて、月に何本の記事を公開するかという更新頻度も決めておきましょう。無理な本数を設定して数か月で息切れするより、続けられるペースを先に決めておくほうが結果的に早く成果へ近づきます。 

内製と外注の判断基準は、記事後半の「オウンドメディアの立ち上げは内製と外注どちらを選ぶべきか」で整理しています。

4.必要な機能を洗い出しサイトを設計する

サイトの構築に入る前に、メディアに必要な機能を洗い出して要件を定義します。必要な機能は、手順1で決めた目的から逆算すると整理しやすくなります。目的別の対応例は以下のとおりです。

メディアの目的必要になる機能の例
リード獲得問い合わせフォーム、資料ダウンロード、CTAボタン、メールマガジン登録
認知拡大・ナーチャリングカテゴリ・タグ分類、関連記事表示、SNSシェアボタン
採用広報社員インタビュー一覧、イベントレポート、採用ページへの導線

機能が固まったら、手順2で書き出したペルソナの検索語を並べ、テーマの近いものをグループにまとめます。まとまったグループがそのままカテゴリの候補になるため、サイトマップとして書き出していきましょう。勤怠管理システムのメディアであれば、以下のような構成になります。

  • トップページ
  • ├ 基礎知識(勤怠管理の法律・用語の解説記事)
  • ├ 比較・選び方(システムの比較記事、選定基準の記事)
  • ├ 活用事例(導入企業のインタビュー記事)
  • └ お役立ち資料(資料ダウンロードページ)
サイト設計の図

トップからカテゴリ、記事という3階層に収めると、検索エンジンが巡回しやすく、関連記事同士を内部リンクでつなぎやすい構造になります。

カテゴリは公開後にも増やせる一方で、階層の組み替えはURLの変更を伴うため、リダイレクトの設定など改修の負担が大きくなります。カテゴリの分類と階層構造は、この段階で固めておくことが重要です。

301リダイレクト

ページのURLを恒久的に変更した際に、旧URLへのアクセスと検索エンジンの評価を新URLへ引き継ぐための転送設定です。設定漏れや誤りがあると、蓄積した評価を失う原因になります。

5.CMS・ドメイン・サーバーを選定する

設計が固まったら、サイトの土台となるCMS・ドメイン・サーバーを選定します。CMSは大きく3つの方式に分かれ、費用の構造が異なります。

CMSの3つの方式と費用の構造図

  • オープンソース型:WordPressに代表される方式。本体は無料で、テーマの購入や保守に費用がかかる
  • クラウド型:ベンダーのサーバー上で動く方式。構築の手間は少ない一方、月額の利用料が発生する
  • パッケージ型:ライセンスを購入して自社サーバーへ導入する方式。大規模サイトや厳しいセキュリティ要件に向く

更新のしやすさ、SEOに必要な設定への対応、社内の承認フローとの相性も含めて選定します。

CMS

Contents Management System(コンテンツ管理システム)の略称で、HTMLなどの専門知識がなくてもWebサイトの作成・更新ができるシステムを指します。

ドメインの選択肢は3つあり、SEO評価の引き継ぎ方が変わります。

ドメインの3つの比較表

ドメイン構成URLの例特徴
新規の独自ドメインhttps://kintai-media.comメディアを独立したブランドとして運用できる一方、SEO評価はゼロからの蓄積になる
既存サイトのサブドメインhttps://media.example.co.jp既存サイトとのつながりを示しつつ、評価は基本的に切り離して運用される
既存サイトのサブディレクトリhttps://example.co.jp/media/既存サイトが蓄積してきたドメイン評価を引き継ぎやすく、初動の順位が付きやすい

既存のサービスサイトがすでに検索エンジンからの評価を得ている場合は、サブディレクトリ配下に置くほうが、公開直後から検索順位が付きやすくなります。ただし、判断材料は評価の引き継ぎだけではありません。メディアを既存事業と切り離したブランドとして育てたい場合や、扱うテーマが既存サイトと大きく異なる場合は、新規ドメインやサブドメインが候補になります。構成の違いが立ち上がりの速度にどう表れるかは、後述の事例2で実際のデータを取り上げます。

6.デザインを実装しサイトを公開する

土台が決まったら、デザインを実装してサイトを形にします。既存のCMSテーマを使う場合でも、配色・フォント・ロゴはコンセプトとペルソナに合わせて設定します。BtoBメディアであれば信頼感のある落ち着いた配色、長文を読ませるメディアなら本文16px前後の読みやすい文字サイズ、というような判断です。

独自のデザインで制作する場合は、レイアウトから設計するためWeb制作会社への依頼が必要になります。この場合はデザインに入る前に、どこに何を配置するかを示すページの設計図であるワイヤーフレームを作成します。記事ページであれば、目次の位置、本文中のCTAの挿入位置、記事下の関連記事と問い合わせ導線などを決めておきます。 

ワイヤーフレームのイラスト

作成したワイヤーフレームを制作会社へ渡せば、完成イメージの認識を揃えたうえで進められます。

実装が終わったら、公開前にモバイル対応やページの表示速度など、Googleが公開している技術要件を満たしているかを確認します。公開後に改修するとなると、デザインやコードの修正が発生して手間がかかるため、この段階で対応しておきましょう。 

出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」

7.対策するキーワードを選定する

サイトの構築と並行して、どの検索キーワードで記事を作るのかを選定します。手順は以下の3段階です。

  1. 軸となるキーワードから候補を洗い出す
  2. 検索意図が重複する候補を削る
  3. コンバージョンへの近さで狙うキーワードの優先順位を付ける

それぞれの作業内容を、勤怠管理システムのメディアを例に見ていきます。

キーワードの候補を洗い出す

洗い出しは、Googleキーワードプランナーラッコキーワードといった無料ツールで始められます。軸となる「勤怠管理」を入力すると、「勤怠管理システム 比較」「勤怠管理 エクセル」「勤怠管理システム 中小企業」といった関連キーワードが検索ボリュームとともに一覧で表示されます。

表示された候補はスプレッドシートへ転記し、キーワード・検索ボリューム・想定する読者の状況・記事化の優先度という4つの列で管理します。この一覧が、以降の記事制作の管理表になります。

検索意図が重複する候補を削る

候補を1つずつ実際に検索し、上位10件のURLを見比べます。「勤怠管理システム 比較」と「勤怠管理システム おすすめ」で検索し、上位に並ぶページが半数以上重なっていれば、Googleが同じ検索意図として扱っていると判断できます。この場合は記事を1本にまとめ、検索ボリュームの大きいほうをタイトルに使い、もう一方は一覧から削除します。この確認を省くと、似た記事を量産して評価を分散させる結果になります。

狙うキーワードの優先順位を付ける

狙うキーワードの優先順位の図

残った候補は、コンバージョンへの近さで3つに仕分けます。

キーワードの種類勤怠管理システムのメディアでの例
問い合わせに直結
(比較・費用・選び方)
勤怠管理システム 比較/勤怠管理システム 費用
検討を後押し
(方法・効率化)
勤怠管理 効率化/労働時間 集計 方法
認知を広げる
(とは・法律の解説)
勤怠管理とは/36協定 上限

着手する順番は、検索ボリュームの大きさではなく、問い合わせに直結するキーワードからです。ボリュームの大きいキーワードは競合も強く、被リンクの蓄積や記事本数で上回るサイトがすでに上位を占めているため、立ち上げ直後のメディアでは上位表示に時間がかかります。

最初の3か月は問い合わせに近い小さなキーワードで確実に順位を取り、成果が見え始めてから検索ボリュームの大きいキーワードへ配分を移す進め方が現実的です。

キーワード選定の具体的な手順とツールの使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SEOキーワード選定のやり方7ステップ|選び方のコツとおすすめツールを解説

8.コンテンツを制作して公開する

キーワードが決まったら、記事の制作に入ります。1記事あたりの制作フローは以下のとおりです。

  1. 検索意図を分析する
  2. 構成案を作成する
  3. 執筆する
  4. 編集・校正を行う
  5. CMSへ入稿して公開する

この流れを記事ごとにくり返し、コンテンツを積み上げていきます。

検索意図を分析して構成案を作る

検索意図の分析では、対策キーワードで実際に検索し、上位10記事へ必ず目を通します。確認するのは各記事の見出しです。複数の記事が共通して扱っている見出しは、読者がその検索で知りたい情報にあたるため、自社の構成から漏れないよう組み込みます。そのうえで、どの記事も扱っていない論点のうち読者の判断に役立つものを加えると、必要な情報を満たしながら独自性のある構成になります。

レギュレーションを整えて執筆する

複数人で制作する場合は、執筆前にレギュレーション(執筆ルール)を用意します。定めておく項目は以下のとおりです。

  • 文体(です・ます調か、である調か)
  • 表記ゆれの基準(Web/ウェブ、お問い合わせ/問い合わせなど)
  • 1記事の目安文字数と見出しの階層ルール
  • 引用・出典の記載方法
  • 画像のサイズと代替テキストの設定ルール

レギュレーションがあると、担当者が交代しても記事の品質を保てるため、外注する際の共有もスムーズになります。

編集・校正して公開する

公開前には編集の工程を必ず挟み、以下の観点で品質を担保します。

  • 誤字脱字と事実関係(数値・固有名詞・出典)の確認
  • 見出しの流れと論理のつながり
  • タイトル・メタディスクリプションの設定
  • スマートフォンでの表示崩れの確認

編集画面だけでなく、プレビューで実際の見え方まで確認してから公開するようにしましょう。

SEO記事の書き方と構成の作り方は、以下の記事にまとめています。
関連記事:SEO記事の書き方ガイド【完全版】上位表示される構成の作成方法を解説

9.効果測定と改善をくり返す

効果測定と改善は厳密には公開後の運用にあたりますが、計測できる環境がなければ改善は始められないため、環境の準備までを立ち上げの工程に含めます。

公開前にGoogle Search ConsoleGA4(Googleアナリティクス)を設定し、検索順位・表示回数・クリック数・コンバージョン数を計測できる状態にしておきます。

公開後は、Search Consoleの検索パフォーマンス画面で表示回数・クリック数・掲載順位をすべて表示に切り替え、掲載順位の低い順に並べ替えてリライト対象を洗い出します。判断の目安は以下のとおりです。

データの状態打つべき手
掲載順位が11〜20位で伸び悩む情報の追加と検索意図のズレの修正で、1ページ目を狙う
順位は高いがクリック率が1%未満タイトルとメタディスクリプションを書き換える
流入はあるがコンバージョンがゼロ記事内のCTAの位置と、誘導先ページの内容を見直す

記事は公開した時点が完成ではなく、データに基づく改善をくり返すことで評価が積み上がっていきます。

リライトの具体的な進め方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:SEOリライトとは?効果的なやり方と記事の選び方・コツを解説

オウンドメディアの立ち上げにかかる費用相場

オウンドメディアにかかる費用は、以下の2つに分かれます。

  • サイト構築にかかる初期費用
  • 運用・コンテンツ制作にかかる継続費用

初期費用だけで予算を組むと公開後の運用が続かなくなるため、両方をセットで見積もる必要があります。それぞれの内訳を確認していきましょう。

サイト構築にかかる初期費用

構築費用は、サイトの規模とデザイン・機能の要件によって大きく変動します。制作会社へ外注する場合の一般的な相場は以下のとおりです。

構成費用の目安向いているケース
既存のCMSテーマを活用した構築30万円〜費用を抑えて早く小さく始めたい場合
オリジナルデザインでの構築100万〜300万円ブランドの世界観や独自機能を重視する場合
要件定義から進める大規模な構築300万円〜会員機能や既存システムとの連携など複雑な要件がある場合

CMSの方式によっても費用は変わります。WordPressなどのオープンソース型は本体が無料でテーマ購入費が数千円〜数万円程度、クラウド型CMSは構築費を抑えられる代わりに月額利用料が継続的に発生します。このほか、独自ドメインが年間1,000〜5,000円程度、レンタルサーバーが年間1万〜3万円程度の固定費として発生します。

見落としやすいのが、公開時にそろえる初期記事の制作費です。カテゴリごとに記事がない状態で公開しても流入は生まれないため、公開時点で10本前後を用意するのが一般的。外注する場合の記事制作費は1記事あたり3万〜15万円が相場のため、1記事3万円で10本なら30万円を初期費用に含めて見積もります。

金額は要件の複雑さと依頼先によって変わるため、複数社から見積もりを取り、費用の内訳まで比較することが欠かせません。

運用・コンテンツ制作にかかる継続費用

公開後は、記事制作費が継続的に発生します。SEO記事制作の外注相場は1記事あたり3万〜15万円で、構成案の作成まで含むか、専門性の高いテーマかによって単価が変わります。

AdMarketのSEO記事制作は1記事3万円〜、SEOコンサルティングは月10万円〜で承っています。このほか、ディレクション費、SEO分析ツールの利用料、サイトの保守費用なども継続費用に含まれます。AdMarketのSEO対策・記事制作の料金は、SEO対策サービスの費用一覧にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

予算は月単位ではなく年単位で計画します。仮に記事制作を月4本(1記事3万円で月12万円)とSEOコンサルティング(月10万円)を組み合わせると月22万円、年間では264万円です。成果が見え始める前の期間も費用は発生し続けるため、初年度の総額を先に見積もっておくことが、途中で予算が尽きて更新が止まる事態を防ぎます。経営層への予算申請でも、この初年度総額と後述のフェーズ別KPIをセットで示すと合意を得やすくなります。

SEO対策全体の費用相場は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SEO対策の費用相場は?料金早見表から内訳まで徹底解説【2026年版】

オウンドメディアの立ち上げを成功させる5つのポイント

オウンドメディアを手順どおりに立ち上げても、設計段階の判断次第で成果に差が出ます。立ち上げの際に押さえておきたい判断の基準は、以下の5つです。

  1. 立ち上げ前に競合とドメインの評価を確認する
  2. 構築段階でテクニカルSEOとUI/UXに対応しておく
  3. フェーズに応じたKPIを設定する
  4. 問い合わせまでの導線を先に設計する
  5. 立ち上げ初期は広告など複数チャネルで集客を補う

手順が「何をするか」だとすれば、こちらは「どう判断するか」の基準にあたります。順に見ていきます。

1.立ち上げ前に競合とドメインの評価を確認する

狙いたいテーマで先に上位表示している競合サイトの顔ぶれと、そのドメインの評価を立ち上げ前に確認します。検索順位には、コンテンツの質だけでなく、被リンクの蓄積によるドメイン全体の評価が影響するためです。

被リンク

外部のWebサイトから自社サイトへ向けられたリンクを指します。Googleはリンクの数だけでなく、リンク元サイト自体の評価や、リンクが張られた文脈を見て判断します。金銭で売買したリンクや過度な相互リンクはスパムとして扱われるため、内容が評価されて自然に張られることが前提です。

確認の仕方は難しくありません。狙う予定のキーワードで実際に検索し、上位10件のURLを書き出します。

次に、Ahrefs Website Authority Checkerなどのツールへ各URLを入力し、ドメインの評価スコアを並べます。スコアは0〜100で表され、数値が高いほど被リンクによる評価が蓄積されたサイトを意味します。

上位10件のスコアがすべて自社を大きく上回るキーワードは、コンテンツの質だけで短期に追い抜くのは困難です。逆に、自社と同程度のスコアのサイトが3件以上入っていれば、勝ち筋のある土俵と判断できます。

新しく取得したドメインには被リンクの評価が蓄積されていないため、評価の高い競合がひしめくキーワードでは、上位表示までの期間が長引きます。既存サイトのサブディレクトリ配下で立ち上げる場合は、蓄積された評価を引き継いだ状態から始められるため、新規ドメインより早い段階で順位がつきやすくなります。

よくあるつまずきは、こうした確認をせずに難易度の高いキーワードばかりを狙い、1年経っても順位が付かないという事態。競合の強さを先に見積もり、勝てる土俵からキーワードを選ぶことが、遠回りに見えて最短の進め方です。

被リンクがSEOへ与える影響は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:被リンクとは?SEO効果や良質な被リンクを獲得する方法をわかりやすく解説

2.構築段階でテクニカルSEOとUI/UXに対応しておく

サイトの階層構造、URLの設計、モバイル対応、表示速度といったテクニカルSEOの要素は、公開後に直そうとすると改修の負担が大きい領域です。リダイレクトの設定ミスで評価を失うリスクもあるため、構築の段階で対応しておきます。

テクニカルSEO

記事の内容ではなく、サイトの構造や表示速度など技術面を最適化し、検索エンジンがサイトを正しく認識できる状態に整える施策を指します。

あわせて、記事から関連記事への回遊のしやすさや、問い合わせボタンの配置といったUI・UXも、構築時に設計しておくべき要素です。サイトの使いやすさは滞在時間や回遊性に表れ、SEOの評価とコンバージョンの両方に影響します。

制作会社に依頼する場合、デザインと実装だけを発注範囲にすると、これらの要件が抜け落ちることがあります。依頼する範囲にSEOの要件とUI・UXの設計を含め、公開前に確認する工程まで決めておきましょう。

3.フェーズに応じたKPIを設定する

フェーズに応じたKPIの説明図

立ち上げ直後からコンバージョン数だけを追うと、成果が出ない期間が続き、施策そのものへの社内の評価が下がってしまいます。手順1で示した「セッション数×コンバージョン率=コンバージョン数」の関係のうち、立ち上げ期はセッション数そのものが積み上がっていない段階です。そのため、式の手前にある中間指標をフェーズごとに追いかけます。

フェーズ主な中間指標(KPI)指標の考え方
立ち上げ期
(〜6か月)
記事本数・インデックス数・検索順位流入がまだ立たない段階のため、土台の進捗を測る
成長期
(6か月〜1年)
検索流入数・クリック率・指名検索数順位が付き始め、流入の伸びで施策を評価できる
成熟期
(1年〜)
コンバージョン数・CVR・商談化数流入が安定し、事業成果への貢献を測れる

フェーズごとの指標をあらかじめ経営層と合意しておけば、成果を問われる場面でも進捗を根拠付きで説明できます。KPIは固定せず、メディアの成長に合わせて更新していくものです。

4.問い合わせまでの導線を先に設計する

流入が増えてもコンバージョンが増えない場合、原因の多くは記事からコンバージョンまでの導線にあります。記事を読み終えたユーザーに、問い合わせ・資料請求・関連記事の回遊のうちどの行動を取ってもらうのかを、記事を作り始める前に決めておきましょう。

どの行動を促すかは、読者の検討段階によって変わります。「勤怠管理システム 比較」で流入した読者はすでに導入を検討しているため、問い合わせフォームや資料請求へ誘導します。一方、「勤怠管理とは」で流入した読者は情報収集の段階にあり、すぐに問い合わせへ進む可能性は低いため、関連する解説記事へ回遊させて理解を深めてもらう設計が有効です。手順7でキーワードを3つに仕分けたのは、この使い分けのためでもあります。

導線の設計を後から一括で直すには相応の手間がかかるため、記事の量産を始める前に済ませておくようにしましょう。

5.立ち上げ初期は広告など複数チャネルで集客を補う

SEO経由の流入が立ち上がるまでの期間、集客をSEOだけに依存しない設計も検討に値します。リスティング広告は出稿した日から検索結果の広告枠への表示を狙えるため、SEOの成果が出るまでの数か月間、コンバージョンの獲得を広告で補えます。

広告の運用で得られる検索語句やコンバージョンのデータは、SEOのキーワード選定の精度を高める材料としても活用できます。実際に問い合わせにつながった検索語句が分かれば、その語句を対策キーワードの優先順位の上位へ回せます。短期は広告、中長期はSEOと役割を分けて併用すれば、立ち上げ期の成果の空白を埋められます。

リスティング広告とSEOの使い分けと併用の方法は、以下の記事にまとめています。
関連記事:リスティング広告とSEOの違い・使い分け方を解説!併用で効果を高めるコツとは

オウンドメディアの立ち上げは内製と外注どちらを選ぶべきか

立ち上げから運用までを社内で完結させるか、外部の支援会社へ委ねるかは、体制とノウハウの有無で判断が分かれます。こちらでは、内製と外注それぞれが向いているケースを整理します。自社の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。

内製が向いているケース

社内にSEOや編集の知見を持つ担当者を専任で置けるなら、内製が選択肢になります。とくに、自社の技術や現場の知見がなければ書けないテーマを扱う場合は、内製の強みが発揮されます。運用のノウハウが社内に蓄積される点、外注費を抑えられる点もメリットです。

ただし、担当者が他業務と兼務のまま記事制作を続ける体制は、更新が止まりやすい典型的なパターンです。1本あたりの工数はテーマの専門性や担当者の慣れによって変わるため、まず1本を社内で作って所要時間を実測し、月の公開本数を掛けて必要な工数を把握しておきましょう。内製を選ぶ判断基準は「書けるか」ではなく、その工数を継続的に確保できるかどうかです。

外注が向いているケース

専任の担当者を置けない、立ち上げを急いでいる、SEOの知見が社内にない場合は、外注が現実的な選択肢です。外注できる範囲は依頼先によって異なり、記事制作のみを請け負う会社もあれば、戦略設計やサイト構築、運用まで一括で対応できる会社もあります。問い合わせの段階で、どこまで任せられるのかを確認しておきましょう。費用を抑えたい場合は、キーワード選定と構成案を社内で持ち、執筆のみを外注する分担も有効です。

依頼先を選ぶ際は、同業種・同規模での支援実績と、施策の根拠を説明できるレポート体制を確認します。記事を納品して終わりではなく、効果測定と改善提案まで伴走できる会社かどうかが、成果の分かれ目になります。

SEO対策を外注する判断基準と依頼の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SEO対策は外注すべき?依頼のメリットや流れ、業者の選び方まで徹底解説

オウンドメディアの立ち上げ・運用の支援事例

こちらでは、AdMarketが支援したオウンドメディアの事例を2つ紹介します。

  • 映像制作会社のオウンドメディア:6か月で10位以内21本を獲得
  • サービスサイト配下で立ち上げたオウンドメディア:記事6本で月200クリック

結果の数字だけでなく、なぜ伸びたのかという構造まであわせてご紹介します。

映像制作会社のオウンドメディア:6か月で10位以内21本を獲得

映像制作会社が新規に立ち上げたオウンドメディアの事例です。記事がゼロの状態から、キーワード選定と記事制作を支援しました。

実施したのは、上位表示を狙えるキーワードの選定と、それに沿った記事の継続的な制作です。検索ボリュームの大きさではなく、競合の状況と自社が語れるテーマを照らして対策キーワードを決め、1本ずつ順位を取りにいく方針で積み上げました。

立ち上げから6か月後、検索で10位以内に入る記事は21本になっています。注目すべきは、この21本がメディア全体の検索流入の69%を生んでいる点です。公開した記事すべてが均等に流入を生むのではなく、上位表示を獲得した一部の記事が流入の大半を支える構造になります。

本数を積むこと自体を目的にせず、1本ずつ上位表示を狙って設計することが、この差につながります。手順7のキーワード選定と手順8の記事制作の精度が、そのまま結果に表れた事例です。

サービスサイト配下で立ち上げたオウンドメディア:記事6本で月200クリック

既存のサービスサイトのサブディレクトリ配下へ、新たにオウンドメディアを立ち上げた事例です。記事を大量に用意する体制がないなかで、検索からの流入をつくることが課題でした。

実施したのは、公開する記事を絞り込んだうえでのキーワード選定です。本数で面を取る方針ではなく、確実に上位表示を狙えるキーワードへ対象を限定し、1本ずつ順位を取りにいく設計としました。

公開から5か月の時点で、検索結果に表示されている記事は6本ながら、月200クリックを超える流入が生まれています。主力記事の掲載順位は、公開初日の平均12.4位から2週間で4.7位、約1か月で3.6位まで上昇しました。

この立ち上がりの速さは、記事の質だけによるものではありません。サブディレクトリ構成では既存サイトが蓄積してきたドメインの評価を引き継げるため、新規ドメインでの立ち上げと比べて初動の順位が付きやすくなります。手順5で挙げたドメイン3構成の選択が、立ち上がりの速度を左右した事例です。

記事数が少なくても、ドメインの構成と対策キーワードの選び方次第で流入はつくれます。

オウンドメディアの立ち上げに関するよくある質問

最後に、オウンドメディアの立ち上げを検討する際によく寄せられる質問に回答します。

オウンドメディアの立ち上げにはどのくらいの期間がかかりますか?

サイトの公開までは、既存のCMSテーマを活用した小規模な構成で1〜2か月程度、要件定義やオリジナルデザインを伴う場合は3か月以上かかるケースが一般的です。期間を左右するのは、要件の複雑さと、社内の意思決定や素材準備の速度です。

制作会社との調整と並行してキーワード選定や記事の準備を進めておくと、公開後すぐにコンテンツを投入できます。

成果が出るまでどのくらいかかりますか?

SEO経由の成果は、一般的に3〜6か月以上を要します。期間を左右する要因は、主に以下の3つです。

  • 狙うキーワードの難易度:競合が強いテーマではさらに長引く
  • ドメインの評価:新規ドメインか既存サイトのサブディレクトリ配下かで初動が変わる(事例2参照)
  • 記事の制作本数:上位表示を狙える記事が積み上がるほど流入は増える

この期間を待てない場合や、早期に成果を示す必要がある場合は、リスティング広告など即効性のあるチャネルで補う方法もあります。

少人数でもオウンドメディアを立ち上げられますか?

専任1名と外部パートナーの組み合わせなど、少人数での立ち上げは可能です。ただし、担当者の兼務や退職で運用が続かなくなる失敗が多いため、企画・執筆・分析の工数をどう確保し続けるかを先に設計しておく必要があります。

すべてを社内で抱えず、執筆や分析を外注してコア業務に集中する形も、少人数の場合は有効な選択肢です。

オウンドメディアが失敗する主な原因は何ですか?

代表的な原因は、目的が曖昧なまま始めてしまうこと、短期間で成果を求めて撤退してしまうこと、運用体制が整わず更新が止まることの3つです。いずれも立ち上げ段階の設計で防げる要因のため、本記事の手順1〜3が対策の起点になります。

失敗のパターン別の詳しい対策は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:オウンドメディアの失敗原因15選|5つのパターン別に対策を解説

CMSはWordPressを選べば問題ありませんか?

多くのオウンドメディアでは、WordPressが有力な選択肢になります。拡張性が高く、SEOに必要な設定へ対応でき、運用に関する情報も豊富なためです。一方、セキュリティ要件が厳しい企業や、複数人での承認フローを重視する場合は、クラウド型やパッケージ型のCMSが適するケースもあります。

手順5で挙げた3方式の費用構造と自社の要件を照らして選ぶことが重要です。

まとめ

オウンドメディアの立ち上げは、目的とKGIの設定から記事制作、効果測定まで9つのステップで進めます。公開はゴールではなく、記事を積み上げて改善をくり返す運用の出発点です。

成果を左右するのは、公開までに何を決めておくかです。 狙うキーワードの難易度を競合と照らして見極める、サイト構造とテクニカルSEOを構築段階で押さえる、問い合わせまでの導線を記事の量産前に設計する。いずれも公開後に取り返そうとすると、相応の手間と費用がかかります。社内のリソースが足りない場合は、記事制作やサイト構築を外部に委ねる選択肢もあります。

SEO対策代行会社のAdMarketでは、SEOコンサルティングと記事制作に加え、Web制作の専門部署によるサイト構築、リスティング広告の運用まで対応しています。キーワード選定や記事制作だけ、サイト構築だけといった単体でのご依頼も、立ち上げから運用までの一括でのご依頼も可能です。

オウンドメディア運用代行・コンサルティングサービスでは、サイトの設計段階からSEOの要件を組み込み、立ち上げ初期の集客を広告で補う設計まで、一体でご提案します。オウンドメディアの立ち上げをご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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