2026.07.31

SEO対策

リスティング広告とSEOの違い・使い分け方を解説!併用で効果を高めるコツとは

リスティング広告とSEOの違い・使い分け方を解説!併用で効果を高めるコツとは

リスティング広告とSEOのどちらを優先すべきか、あるいは両方に取り組むべきかは、Web集客の予算を検討する段階で必ず論点になります。限られた予算のなかでどちらに投資すべきかを決めきれず、検討が止まってしまうケースもあるでしょう。成果を出すには、両者の違いを正確に把握したうえで、自社の状況に応じて使い分けることが重要です。

本記事では、SEO対策とリスティング広告運用の両方を支援するAdMarketが、リスティング広告とSEOの違いから自社に合った選び方、効果的に併用するコツまで、事例を交えながら企業のWeb担当者に向けて実務目線で解説します。

リスティング広告とSEOの特徴

リスティング広告とSEOの特徴

リスティング広告とSEOは、いずれも検索エンジンを経由して見込み顧客を獲得する施策ですが、検索結果に掲載される仕組みが根本的に異なります。使い分けを検討する前に、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果の広告枠に表示される広告のこと。GoogleやYahoo!の検索結果ページでは、自然検索の結果より上部に掲載されます。

掲載の可否と掲載順位は、入札単価や広告の品質などから算出される広告ランクによって決まります。費用が発生するのはユーザーが広告をクリックした時点であり、表示された段階では媒体費はかかりません。

ただし広告ランクが他社を下回れば、費用を投下しても上部の広告枠には掲載されません。投じた金額だけで掲載順位が決まる仕組みではない点を、前提として押さえておく必要があります。

リスティング広告のメリットや、効果を高める運用のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:リスティング広告のメリットとは?効果を最大化するコツも解説

SEOとは

SEOとは、検索エンジンに評価されやすい状態へサイトやコンテンツを整え、自然検索の枠での上位表示を狙う施策のこと。Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称です。

掲載順位を決めているのはGoogleのアルゴリズムによる評価であり、費用を支払って順位を購入することはできません。またリスティング広告と異なり、自然検索の枠からサイトへアクセスがあっても媒体費は発生しません。発生するのは記事制作やサイト改修にかかる工数や費用のみで、流入そのものには費用がかからない点がSEOの特徴です。

SEOの全体像と、まず着手すべき施策については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:SEOとは?初心者がまずやるべき対策をわかりやすく解説【2026年最新版】

リスティング広告とSEOの6つの違い

リスティング広告とSEOの違いは、以下の6つに整理できます。

  1. 掲載される仕組みと表示位置
  2. 成果が出るまでの期間
  3. クリック率の傾向
  4. かかる費用の仕組み
  5. アプローチできるターゲット層
  6. 掲載順位のコントロールのしやすさ

まず比較表で全体像を確認したうえで、それぞれの違いを順に見ていきましょう。

項目リスティング広告SEO
掲載の仕組みと表示位置広告ランクによるオークションで決定。
自然検索より上部の広告枠(広告ランクが低い場合は下部)。
Googleのアルゴリズムの評価で決定。
広告枠の下の自然検索枠。
成果が出るまでの期間審査を通過すれば当日から掲載可能。一般的に3〜6か月、競合性が高い場合はさらに長期。
平均クリック率
(2026年2月時点/AIによる概要が表示されないキーワード)
21.85%3.82%
かかる費用の仕組みクリックごとに媒体費が発生。
代理店に委託する場合は初期費用と運用手数料も発生。
記事制作やサイト改修に費用が発生。
クリックによる媒体費はなし。
アプローチできるターゲット層「見積もり」「業者」など購買意欲の高いキーワードで顕在層。情報収集段階のキーワードから購買直前のキーワードまで、潜在層と顕在層の双方。
掲載順位のコントロール入札単価や広告文の変更で調整可能。直接の指定は不可。

掲載される仕組みと表示位置

リスティング広告の掲載可否と掲載順位は、検索が行われるたびに実施されるオークションによって決定されます。このオークションで参照される指標が広告ランクです。

一方、SEOで狙う自然検索枠にはオークションの仕組みが存在しません。Googleのアルゴリズムがページの内容や信頼性を評価し、検索キーワードとの関連性が高い順に掲載順位を決定します。

広告枠は入札単価と広告の品質を高めることで出稿した当日からの掲載を狙える一方、自然検索枠は費用では動かせず、評価の蓄積に時間を要します。

広告ランク

入札単価、広告とランディングページの品質、検索が行われた時点の状況などから算出される指標です。オークションはユーザーが検索するたびに実施されるため、広告ランクも毎回算出し直されます。同じキーワードでも掲載順位が変動するのは、この仕組みによるものです。

出典:Google 広告ヘルプ「広告ランクについて」

成果が出るまでの期間

成果が出るまでの期間

リスティング広告は、審査を通過すれば出稿した当日から検索結果に掲載されます。キャンペーンの開始日が決まっている場合でも、その日程に合わせて露出を確保できる点が強みです。

一方SEOは、公開したページがインデックスに登録され、評価が蓄積されて掲載順位が付くまでに時間を要します。一般的には変化が見え始めるまでに3〜6か月、競合性の高いキーワードではさらに長い期間が必要になるケースも少なくありません。

このように成果が出るまでの期間が大きく異なるため、短期的に売上をつくることが目的であればリスティング広告、中長期的に集客基盤を構築することが目的であればSEOが適しています。

クリック率の傾向

クリック率を比較する際は、どの指標を見ているのかを揃える必要があります。Seer Interactiveの調査によると、53ブランド・547万件の検索クエリを対象とした2026年2月時点の平均クリック率は、リスティング広告が21.85%、自然検索が3.82%でした。

ただし、この数値をそのまま「広告のほうが5倍以上クリックされる」と解釈するのは適切ではありません。自然検索の平均には2ページ目以降に表示された分まで含まれる一方、リスティング広告は入札で勝った検索にのみ表示されるため、母数の性質が大きく異なります。

アカウント全体の平均クリック率と掲載順位別のクリック率は別の指標であり、両者を並べて優劣を判断することはできません。社内で比較検討する際は、どちらの数値を見ているのかを明示したうえで議論する必要があります。

出典:Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」(2026年4月24日公開/AIによる概要が表示されないキーワードの数値)

リスティング広告のクリック率の目安や改善方法は、以下の記事で解説しています。
関連記事:リスティング広告のクリック率の平均は?CTRを改善する方法10選も解説!

なお、AIによる概要が表示されるキーワードでは、この前提そのものが変化します。詳細は後述の「AI時代におけるリスティング広告とSEOの使い分け方」で整理します。

かかる費用の仕組み

費用の違いは、金額の大小ではなく発生するタイミングにあります。リスティング広告は掲載期間中、クリックが発生するたびに媒体費がかかり続けるため、出稿を停止すれば費用の発生も止まり、同時に流入もなくなります。なお代理店に運用を委託する場合は、媒体費に加えて初期費用と運用手数料が発生します。

一方SEOで費用が発生するのは、記事制作やサイト改修といった作業のタイミングです。外注する場合は作業ごとに費用がかかり、内製する場合も担当者の工数が必要になります。ただし公開後は掲載順位にかかわらず自然検索の流入に媒体費が発生しないため、上位表示を維持できれば広告費を抑えながら継続的に流入を確保できます。

ただしSEOは、一度公開すれば終わる施策ではなく、継続的な運用が前提になります。上位を維持するにはリライトや記事の追加が必要になり、外注している場合は都度の費用、内製していても担当者の工数が継続的に発生します。成果が出るまでの数か月間は、流入が生まれないままコストだけがかかることもあります。長期的なコストが低いという理由だけで判断すると、投資回収の見通しがずれる可能性があります。

SEO対策にかかる費用の相場は、以下の記事にまとめています。
関連記事:SEO対策の費用相場は?料金早見表から内訳まで徹底解説【2026年版】

アプローチできるターゲット層

アプローチできるターゲット層

リスティング広告が効果を発揮しやすいのは、「〇〇 見積もり」「〇〇 業者」のような購買を前提としたキーワードで検索している顕在層です。予算をこの層に集中させることで、短期間でも問い合わせの獲得が見込めます。

SEOは、「〇〇とは」「〇〇 選び方」といった情報収集段階の潜在層が調べるキーワードに加え、「〇〇 費用」「〇〇 比較」のように購買直前の顕在層が検索するキーワードにも対応できます。ただし潜在層向けの記事を増やすだけでは、流入が伸びても問い合わせにはつながりません。

広告で反応が確認できている顕在層向けのキーワードを先に記事化し、潜在層向けのコンテンツはその後で拡張していく順序が現実的です。顕在層向けのページで問い合わせを確保しながら潜在層向けの記事を増やしていくことで、短期の成果と将来の流入を同時に積み上げられます。

掲載順位のコントロールのしやすさ

リスティング広告は、入札単価や広告文、リンク先を変更することで掲載順位と見え方を調整できます。クリックや問い合わせにつながらない場合は当日中に停止や差し替えができるため、運用の自由度が高い点が特徴です。

一方SEOでは、掲載順位を直接指定する手段が存在しません。対応できるのは、Googleに評価される要素を整えることに限られます。どの順位まで上がるのか、いつ上がるのかを事前に見通すことはできません。アルゴリズムの更新によって、上位に定着していたページの順位が下がるケースもあります。

このコントロールのしにくさをふまえると、掲載の有無や順位を運用側で調整できるリスティング広告と組み合わせる設計が現実的です。

リスティング広告とSEOの使い分け方

リスティング広告とSEOの使い分け方

ここまで整理した違いをふまえたうえで、自社に合うのはどちらかを判断することが重要です。こちらでは、リスティング広告とSEOそれぞれが向いているケースを整理したうえで、自社がどちらを優先すべきかの判断軸を紹介します。

リスティング広告が向いているケース

リスティング広告を優先すべきなのは、以下のような場面です。

  • 新商品の発売やキャンペーンなど、期限が決まっている集客
  • 今月や今四半期など、すぐに問い合わせ件数を伸ばしたい場合
  • 購買意欲の高いキーワードで露出を確保したい場合
  • 自然検索では上位表示が難しいキーワードで、短期的に流入を確保したい場合
  • 検索需要が小さく、SEOだけでは流入の母数を確保できない商材

いずれの場面にも共通しているのは、期限または確実性が問われている点です。費用を投下することで時間を短縮できる点が、リスティング広告の強みです。

SEOが向いているケース

SEOを優先すべきなのは、以下のような場面です。

  • 1年以上のスパンで集客基盤を構築したい場合
  • クリック単価が高騰し、広告の費用対効果が悪化している場合
  • 広告費を増やさずに問い合わせ件数を伸ばしたい場合
  • 検討期間が長く、潜在層への情報提供が購買につながる商材
  • 記事や資料をコンテンツ資産として蓄積したい場合

出稿を停止しても流入が残る仕組みをつくれる点は、広告にはないSEOの価値です。広告費に比例して流入が増減する状態から抜け出したい場合、検索領域で選べる手段はSEOに限られます。

社内リソースで対応可能な範囲は、以下の記事にまとめています。
関連記事:SEO対策は自分でできる?初心者向けにやり方を難易度別に解説

自社がどちらを優先すべきかの判断軸

自社の状況がリスティング広告とSEOの両方の条件に当てはまることも多くあります。たとえば、今期の問い合わせ件数を増やしたい一方で、広告費の増加は抑えたいという場合などが該当します。優先順位を決める際は、以下の4点を順に確認します。

  1. 目標までの期限:3か月以内に数字が必要なのか、1年後の状態で評価されるのか
  2. 予算の性質:回収を待てる先行投資なのか、当期の費用対効果で評価される予算なのか
  3. 商材の検討期間:即断されやすい商材なのか、比較検討に数か月を要する商材なのか
  4. 検索需要の規模:関連キーワードの検索数を合計して、SEOで流入の母数を確保できるのか

このうち期限と予算の2点が短期側に寄っている場合、SEO単独で着手すると社内の評価タイミングで成果を示せません。まずリスティング広告で数字を確保し、並行してSEOに着手する順序であれば、社内の合意を得やすく施策も継続しやすくなります。

反対に、検索需要が十分にあり、1年後の状態で評価される予算を確保できているのであれば、SEOを主軸に据えたほうが投資効率は高くなります。広告に投じ続けている費用を記事やサイトの改善へ振り向けることで、同じ予算で獲得できる問い合わせ件数が増えるケースもあります。

リスティング広告とSEOを併用する相乗効果

ここまでの内容をふまえると、多くの企業ではどちらか一方ではなく併用が選択肢に入ってくるでしょう。併用することで得られるメリットは、以下の4つです。

  • 短期の成果と中長期の集客基盤を同時に確保できる
  • 顕在層は広告で獲得し、潜在層の認知拡大はSEOで進められる
  • 広告の実データをSEOのキーワード選定に活かせる
  • 自然検索と広告の両枠を押さえ、検索結果での取りこぼしを防げる

4つのメリットは、短期と中長期、顕在層と潜在層という異なる役割を1つの設計に組み込むことで生まれます。それぞれ順に見ていきましょう。

短期の成果と中長期の集客基盤を同時に確保できる

SEOは成果が出るまでに3〜6か月を要するため、着手してから数か月間は問い合わせが増えないまま推移するケースがほとんどです。この期間の集客をリスティング広告で埋めることで、売上を落とさずにSEOの土台づくりを進められます。

広告で数字を確保している間に記事やサイト構造を整え、自然検索からの流入が育った段階で広告への依存度を下げていく流れが理想です。短期の成果と中長期の資産形成を同時に進められる点が、併用の最大のメリットです。

顕在層は広告で獲得し、潜在層の認知拡大はSEOで進められる

購買を前提に検索している顕在層は数が限られるため、広告だけで問い合わせ件数を伸ばし続けると、クリック単価の上昇にともなって獲得単価も悪化します。母数を広げるには、購買を検討する前の潜在層へアプローチする必要があります。

ただし、潜在層が検索する情報収集段階のキーワードは、広告で獲得しても費用に対する成果が見合いません。媒体費が発生しないSEOで潜在層の流入を確保し、購買に近い顕在層は広告で確実に刈り取る形が、獲得単価を抑えながら母数を広げる設計になります。

広告の実データをSEOのキーワード選定に活かせる

広告の実データをSEOのキーワード選定に活かせる

リスティング広告を運用すると、どのキーワードが問い合わせにつながり、どのキーワードは費用のみが発生しているのかを実データで把握できます。この結果は、SEOのキーワード選定に活かせます。

検索ボリュームのみを基準に対策キーワードを選定すると、流入は増えても問い合わせにつながらない記事が積み上がりがち。広告でコンバージョンを確認できたキーワードから記事化することで、成果に到達するまでの試行回数を減らしやすくなります。

自然検索と広告の両枠を押さえ、検索結果での取りこぼしを防げる

SEOで上位を獲得できているキーワードにも、あえて広告を重ねる判断が有効な場合があります。自然検索で1位を獲得していても、検索結果の上部が他社の広告枠で占められれば、本来自社に来たはずのクリックが他社へ流れます。広告で上部の枠もあわせて確保しておけば、この取りこぼしを防げます。

さらに、同一キーワードで広告枠と自然検索枠の双方に表示されれば、検索結果ページ上で自社が占める面積が広がります。BtoB商材のように比較検討期間が長い分野では、ユーザーとの接触回数の多さがそのまま受注確度に影響します。

リスティング広告とSEOを効果的に併用する方法

併用したほうがよいと分かっていても、どちらから着手し、どの段階で比重を移すのかは判断が難しい部分です。ここでは、進め方を以下の3段階で紹介します。

  1. 0〜3か月:リスティング広告を主軸に問い合わせ件数を確保しながら、SEOはキーワード設計と既存ページの改善に着手する
  2. 3〜9か月:広告で反応を確認できたキーワードを軸に記事を制作し、SEO側の比率を高めていく
  3. 9か月以降:SEOで上位を獲得できたキーワードのうち、他社の広告出稿が少ないものから広告の入札を段階的に絞る。他社が広告を出しているキーワードは両方の枠を維持し、浮いた予算は自然検索で取れていない領域へ振り替える

どの段階でどちらに比重を置くかは、検索需要の規模や商材の単価、目標までの期限によって変わります。そのため、広告とSEOの数値を横断して確認できる状態であることが、判断をするうえで重要になります。

社内で両方を追える体制がない場合は、外部に運用ごと任せたほうが判断の精度は上がります。ただし広告とSEOを別々の会社へ依頼していると、CPAと検索順位がそれぞれ個別に報告されるため、どちらの予算を削減すべきかを比較できません。両方をまとめて依頼できる会社であれば、同じ指標を見ながら配分を判断できます。

【リスティング広告とSEOの併用事例】BtoB商材での成果

AdMarketが支援しているBtoB製造業(産業用機器向けの部材)のお客様の事例を紹介します。

課題は、市場の検索需要そのものが小さいことでした。商材の専門性が高く、関連キーワードを合計しても検索数は月1,000〜2,000件規模。消費者向け商材であれば1キーワードで数万件に達することもある中で、この規模の市場でSEOだけで問い合わせを積み上げるには限界がありました。

そこで、購買意欲の高いキーワードは広告とSEOの両方で対応し、SEOでは潜在層向けの記事も制作することに。その結果、1年間の取り組みで、以下の成果が出ています。

  • 年間の問い合わせ数:2倍に増加
  • サイトへの流入数:2倍に増加
  • メインキーワードの検索順位:10位以下から平均1〜2位へ上昇
  • 受注数:3倍に増加

内訳を見ると、主力製品ページへの流入比率は広告7:自然検索3でした。一方、問い合わせ件数の比率は6:4です。流入の3割しかない自然検索が問い合わせの4割を生んでおり、1件あたりの確度に換算すると自然検索は広告の約1.6倍にあたります。

この結果から、広告が流入の「量」を、SEOが問い合わせの「質」を担っていることがわかります。どちらか一方に予算を寄せると量と質のどちらかが欠けるため、成果は頭打ちになります。

判断のポイントは、予算配分を広告かSEOかで決めるのではなく、市場の検索需要の大きさで決めること。検索需要が小さい商材であれば広告の比率を保ち、SEOは記事数を追わず勝てる領域に絞ります。反対に検索需要が大きい商材であれば、SEOへ投資することで広告費を抑える余地が生まれます。

AI時代におけるリスティング広告とSEOの使い分け方

検索結果の最上部にAIによる概要が表示されるようになり、狙うキーワードの種類によってSEOの投資効率に差が生じています。ここでは、AI時代における広告とSEOの役割分担を紹介します。

AIによる概要が表示されやすいキーワードの傾向

AIによる概要が表示される割合は、検索の目的によって大きく異なります。前述のSeer Interactiveの調査では、以下の結果が示されました。

  • 情報収集を目的とした情報系キーワード:36%
  • 候補を絞り込む段階の商業系キーワード:8%
  • 購入や申し込みに直結する取引系キーワード:5%

キーワードの形式で見ると差はさらに広がり、「AとBの比較」型では95.4%、「what」「why」などの質問形では85%以上に。

情報系と取引系では、AIによる概要が表示される割合に7倍前後の開きがあります。つまり解説記事や比較記事で流入を確保する設計は、ユーザーがクリックする前にAIが回答を提示してしまう領域に投資していることになります。逆に購入直前のキーワードではAIによる概要がほとんど表示されないため、こちらは従来どおりの検索結果を前提に考えられます。

検索意図の3分類

検索の目的による分類で、SEOでは「Know(知りたい)」「Do(したい)」「Buy(買いたい)」「Go(行きたい)」の4分類で整理する考え方も使われます。いずれも、狙うキーワードがどの目的に対応するのかを見極めるための枠組みです。

同じ調査では、AIによる概要が表示されるキーワードの平均クリック率も示されました。自然検索は2025年12月の1.31%を底として2026年2月には2.36%まで回復したものの、概要が表示されないキーワードの3.82%には届いていません。

一方、広告のクリック率は2025年1月から2026年2月にかけて、概要が表示されるキーワードで14.6%から16.2%へ上昇し、表示されないキーワードでは26%から21.8%へ低下しました。AIによる概要が表示される検索結果のほうが、広告にとっては条件がよくなっています。

出典:Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」(2026年4月24日公開)

AI時代における広告とSEOの役割分担

ここまでの数値から導かれる役割分担は、以下の2つです。

  • 情報系・比較系のキーワード:AIが回答を提示する前提で、SEOは一次情報や独自データを持てるテーマに絞る
  • 商業系・取引系のキーワード:AIによる概要の出現率が5〜8%にとどまるため、広告と自然検索の両方で露出を確保してクリックを取り切る

Google自身も、AI機能に向けた特別な最適化は必要なく、従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効であると明言しています。AI検索向けの施策を新たに追加する前に、どのキーワードにSEOを投資するのかという線引きを見直すほうが優先度は高いといえます。

出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」

AIによる概要の仕組みや、AI時代に取るべき施策については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:AI Overviewsとは?仕組みやSGEとの違い、SEOへの影響を解説
関連記事:AI時代のSEO対策とは?生成AIによる変化と今すべき5つの施策を解説

リスティング広告とSEOに関するよくある質問

リスティング広告とSEOの検討時に、企業のWeb担当者から多く寄せられる疑問へ一問一答で回答します。

SEOとリスティング広告はどちらが費用対効果が高いですか?

評価する期間によって答えが変わります。3か月以内の成果で判断するならリスティング広告、1年以上の期間で評価するならSEOのほうが費用対効果は高くなりやすい傾向にあります。広告は流入を得るたびに媒体費が発生し続ける一方、SEOで上位を獲得したページは追加の媒体費なしに流入を生み続けるためです。ただし上位を獲得できなければ制作費は回収できないため、上位表示を実現できるかどうかも含めて比較する必要があります。

SEOとリスティング広告は併用すべきですか?

予算を確保できるのであれば、併用をおすすめします。広告には即効性があり、SEOには資産性があるため、互いに不足する部分を補完できます。短期の問い合わせを広告で確保しながら、SEOで中長期の流入基盤を並行して育てられる点がメリットです。予算が限られている場合は、まず広告で反応が出るキーワードを見極め、対象を絞り込んでからSEOに投資する順序が現実的です。

リスティング広告はSEOの検索順位に影響しますか?

影響しません。広告の出稿量を増やしても自然検索の順位は上がらず、出稿を停止したことで順位が下がることもありません。Googleは検索セントラルにおいて、掲載順位を上げるために金銭を受け取ることはなく、順位はアルゴリズムによって自動的に決定されると明記しています。広告と自然検索は別の仕組みで評価されているため、順位対策として広告を出稿しても効果は得られません。

出典:Google 検索セントラル「Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について」

初めて取り組むならどちらから始めるべきですか?

先にリスティング広告から着手するケースが多くなります。出稿すれば数週間で、どのキーワードが問い合わせにつながるのかを把握できます。その結果を対策キーワードの選定に反映できるため、成果につながらない記事の制作を減らせます。ただし検索需要が小さい商材や、クリック単価が極端に高い業界では、この順序が当てはまらないケースもあります。

リスティング広告を止めるとサイトへの流入はどうなりますか?

広告経由の流入は、出稿を停止した時点でゼロになります。一方、SEOで獲得した自然検索の流入は、掲載順位が維持されている間は残り続けます。出稿の停止によって流入が半減する状態は、集客が広告に依存しているサインです。リスクを分散する意味でも、両輪での設計が有効です。

まとめ

リスティング広告とSEOは、掲載される仕組み、成果が出るまでの期間、費用が発生するタイミングが異なるため、どちらが優れているかという比較にはなりません。優先順位は、目標までの期限、予算の性質、商材の検討期間、検索需要の規模から判断することが重要です。

両方に取り組める予算があるのであれば併用し、広告で得たデータを対策キーワードの選定へ還流させる形が成果につながります。AIによる概要は情報系のキーワードでは3分の1以上で表示されるのに対し、購入や申し込みに近いキーワードではほとんど表示されません。どのキーワードにSEOを投資し、どこを広告で押さえるのかという線引きも、あわせて見直す段階に入っています。

Webマーケティング代行会社AdMarketは、SEO対策とリスティング広告運用の両方に対応しています。短期的な問い合わせの獲得と中長期的な検索流入の基盤づくりを、一貫した方針のもとで設計できる点が強みです。具体的には、以下のような支援が可能です。

  • 短期的な成果と中長期的な集客基盤づくりのどちらを重視するかに応じて、予算配分をご提案
  • 顕在層の獲得と潜在層への認知拡大のバランスをふまえて、施策の組み合わせを設計
  • 広告で成果が確認できたキーワードを優先して記事化する運用にも対応
  • キーワード設計から内部対策、記事制作、サイト改修までワンストップで実行
  • 専任担当者のコメント付き解析レポートで、施策の効果と次の打ち手を提示
  • ご提案に際するSEO分析・診断は無料で対応

どちらから着手し、どの段階で比重を移すのかの見極めが、併用の成果を左右します。自社の状況に合わせた進め方については、AdMarketのSEO代行サービスへお気軽にご相談ください。

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