動画広告
video動画広告としておなじみのYouTube広告ですが、実は課金形態やフォーマットによって費用相場が異なることをご存知でしょうか。YouTube広告へ出稿するからには、どのくらいの予算が必要なのかあらかじめ知っておきましょう。
本記事では、YouTube広告の費用相場や課金の仕組みについて解説します。予算設定方法や予算の決め方も紹介するので、YouTube広告で成果を出したい方はぜひ参考にしてください。
目次
YouTube広告の課金方式は3種類
YouTube広告には3種類の課金方式があります。広告を出稿する業種にもよりますが、相場はおおむね次のとおりです。
種類 | CPC(Cost Per Click) | CPV(Cost Per View) | CPM(Cost Per Mille) |
---|---|---|---|
課金方式 | クリック単価制 | 視聴単価制 | インプレッション単価制 |
相場 | 2~25円 | 5~10円 | 400~600円 |
種類 | CPC(Cost Per Click) | CPV(Cost Per View) | CPM(Cost Per Mille) |
---|---|---|---|
課金方式 | クリック単価制 | 視聴単価制 | インプレッション単価制 |
相場 | 2~25円 | 5~10円 | 400~600円 |
品質スコア
広告の品質目安となるスコア。1~10の数値で示され、推定クリック率(推定CTR)やランディングページ(LP)品質、広告との関連性の要素から算出される。
つまり、入札金額が低くても、品質スコアが高ければ広告を表示させることが可能です。反対に入札金額が高くても、品質スコアが低ければ広告は表示されないということになります。
YouTube広告は上記のような仕組みで運営されているため、課金方式ごとの相場に幅が生じているのです。ここからはそれぞれの課金方式について、メリット・デメリットとあわせて紹介します。
CPC|クリック単価
CPC(Cost Per Click)は、1クリックごとに課金されます。YouTubeユーザーが動画広告やCTAボタンをクリックしたときに課金されるため、LPへ遷移させたい場合などに使用する課金方式です。単純に広告が表示されただけでは課金されないため、広告予算を無駄なく消化できます。
YouTube広告におけるCPCの相場は2〜25円といわれていますが、業種によってはこれ以上に高騰する場合も少なくありません。転職関係や不動産関係など、粗利を確保しやすい業界の広告では、CPCが高騰する傾向にあります。
CPV|視聴単価
CPV(Cost Per View)は視聴単価、すなわち1回の視聴に対して課金されます。視聴としてカウントされるのは、次のいずれかのケースです。
- 動画を30秒間視聴された場合(30秒未満の広告は最後まで視聴された場合)
- 動画に対して操作が行われた場合(クリックなど)
CPCよりも、より動画広告ならではの強みを活かした成果報酬型課金ともいえるでしょう。YouTube広告におけるCPVの相場は5〜10円程度です。
CPM|インプレッション単価
CPM(Cost per Mille)は、インプレッション(表示回数)1,000回あたりの単価です。広告に対してクリックなどのアクションが取られたかどうかは関係なく、表示された段階で課金対象とされます。テレビCMなど従来型の動画広告に近い課金形態ともいえるでしょう。
YouTube広告でのCPMの相場はバンパー広告形式で400〜600円程度、スキップ不可のインストリーム広告形式で600〜1,000円程度となっています。
YouTube広告の種類別の費用相場
YouTube広告には異なる配信フォーマットが用意されており、それぞれ課金方式や単価相場が異なります。代表的なフォーマットは次のとおりです。
フォーマット | 課金方式 | 単価相場 |
---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | CPV CPM | 5~10円 400~600円 |
スキップ不可のインストリーム広告 | CPM | 600~1,000円 |
インフィード動画広告 | CPC | 2~25円 |
バンパー広告 | CPM | 400~600円 |
動画アクション キャンペーン(VAC) | CPC CPV CPM | 2~25円(CPCの場合) |
それぞれのフォーマットの概要や、適した出稿目的について解説します。
スキップ可能なインストリーム広告
出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ
スキップ可能なインストリーム広告は、YouTube広告で最もオーソドックスなフォーマットです。再生開始から5秒でスキップが可能になるフォーマットで、実際に視聴したことがある方も多いのではないでしょうか。
動画の前後または動画途中に挿入され、基本的な課金形態はCPVです(相場5〜10円)。ただし、目標インプレッション単価(tCPM)で設定することもできます(相場400〜600円)。
スキップされれば費用は発生しないため、冒頭5秒間でインパクトを残すことができれば、費用を最小限に抑えて認知を拡大できます。
スキップ不可のインストリーム広告
出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ
スキップ不可のインストリーム広告は30秒以下の動画広告で、その名のとおりスキップできないことが最大の特徴です。テレビCMやTVer広告のように、広告素材全体を通じてメッセージを伝えたい時に向いています。スキップさせず表示させることが目的なので、課金形態はCPMのみです(相場600〜1,000円)。
スキップ不可のインストリーム広告を出稿する際は、スキップできないことを不快に感じるユーザーがいるかもしれないことは留意しておきましょう。広告でありながらも、視聴を楽しめるようなコンテンツを作るべきです。
インフィード動画広告
出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ
インフィード動画広告(旧YouTube TrueView ディスカバリー広告)は、ユーザーがコンテンツを探す場所、たとえば次のようなエリアに表示されるフォーマットです。
- 関連動画の横
- YouTube検索結果
- YouTubeモバイルのトップページ
ユーザーがクリックすると動画が再生される仕組みになっており、課金形態はCPCです(相場2~25円)。
インフィード動画広告は関連動画や検索結果に表示される特性上、自社にビジネスと関連性の高い内容を積極的に視聴しているユーザーにアプローチしやすいことがメリットです。
バンパー広告
出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ
バンパー広告は6秒以内の短い動画で、メッセージを端的に伝えることに優れています。スキップできないフォーマットですが、動画そのものが短いため不快感を持たれる可能性は低いでしょう。
バンパー広告も表示させることが目的のフォーマットなので、課金形態はCPMのみとなっています(相場400〜600円)。
動画アクション キャンペーン(VAC)
出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ
LPへのトラフィック・コンバージョンに特化したフォーマットとしては、動画アクションキャンペーン(VAC)が挙げられます。
VACでは自動キャンペーンを1つ使用し、YouTubeはもちろん、YouTube以外の場所(Google動画パートナー)でも動画広告を配信できることが特徴です。
さらにVACでは、ユーザーに行動を促すCTAボタンや広告見出しを入れた配信が可能。YouTube広告のフォーマットの中でもコンバージョンへ誘導しやすい仕組みが整っています。
YouTube広告からのコンバージョンを積極的に狙っていきたい場合は、VACを利用することをおすすめします。
その他のフォーマット
YouTubeにはここまで紹介したフォーマット以外にも、いくつか配信方法が用意されています。たとえばYouTube内で大々的に宣伝したい時は、マストヘッド広告が便利です。マストヘッド広告はYouTubeホームフィードで表示されるフォーマットで、非常に多くのユーザーへリーチできるのが特徴です。課金形態はCPMですが、予約ベースでのみ利用可能で、最低でも数百万円は予算が必要になります。
どのようなフォーマットを使うべきか分からない場合は、YouTube広告に精通している広告代理店に相談してもいいでしょう。
YouTube広告の予算設定方法
YouTube広告には2種類の予算設定方法が用意されています。
- 日別予算
- キャンペーン合計予算
どちらを選んでも広告の配信方法に変わりはないので、管理しやすい予算設定で進めてみてください。それぞれの特徴について解説します。
日別予算
日別予算では、1日あたりにYouTube広告を配信する予算の「平均額」を設定します。たとえば1か月の広告予算が3万円であれば、日別予算を1,000円に設定するイメージです。
設定予算は日別平均額なので、日別予算を1,000円にしていても、500円しか消化されない日もあれば、1,500円も消化される日があるかもしれません。YouTube側が投資収益率が高くなりそうなタイミングで予算を最適化してくれるので、日別予算を超過していたとしても心配しないでください。1か月を通してみると、総合的には予算内に収まるようになっています。
キャンペーン合計予算
いくつかのキャンペーン予算をまとめて管理したい場合は、キャンペーン合計予算を使用します。
たとえば、3か月間の総広告予算が50万円であれば、開始日と終了日を指定することで、該当期間内で効率よく予算を消化してくれます。新しい動画キャンペーンを追加する場合は、キャンペーン作成時に「キャンペーン合計予算」を選択することで、既存キャンペーンとまとめて予算管理できます。
適切なYouTube広告予算の決め方・管理方法
ここまで課金方式や予算設定について紹介してきましたが、実務的には「そもそもの広告予算の決め方・管理方法」が気になるのではないでしょうか。具体的な広告予算を決めるためには、次の3つの視点が必要です。
- 与えられた予算内で最適化する
- リード獲得数とCPAから計算する
- LTVとCPAから計算する
ここからは具体的な計算事例と合わせて、広告予算の決め方について紹介します。
与えられた予算内で最適化する
まず考えられるのが、与えられた広告予算内で最適化していく手法です。会社組織で商品プロモーションを担当していると、「来月はとりあえず30万円」などと予算確保されるケースも少なくありません。
このように予算を与えられている場合は、広告を出稿している目的をふまえつつ、予算内でKPI(クリック数やインプレッション数など)を最適化していきます。
たとえばLPからリードを獲得することを目的としている場合、広告運用のKPIはクリック数(LPへの遷移数)になるでしょう。そのためCPCで運用できるインフィード動画広告を、日別予算で回すと管理しやすいです。
「新商品の発売前に予算内でなるべく認知を拡大したい」というケースであれば、CPMで運用できるバンパー広告を、運用開始日から発売日までの期間を設定したキャンペーン合計予算で管理する方法が考えられます。
このように与えられた予算内でクリック数やインプレッション数などを最大化していく手法が、実務的にはよく行われています。
リード獲得数とCPAから計算する
管理職など裁量が広い方の場合は、そもそも「広告予算額」を決めるフェーズから担当しているかもしれません。そのような予算決定のフェーズでは、CPAから計算する手法が向いています。
CPA
Cost Per ActionまたはCost Per Acquisitionの略。顧客獲得単価のことで、広告によって特定のアクション(商品購入や会員登録など)を取らせるのにかかる費用。
YouTube広告からのコンバージョンを想定した予算計算であれば動画アクションキャンペーン(VAC)の使用が前提となります。一例として不動産会社の例で考えてみましょう。
たとえば過去の事例から、顧客一人から問い合わせを獲得するためには平均して2,000円必要だとします。つまり、CPA2,000円の状況です。この企業が100人のリードを獲得したい場合、CPA2,000円×リード数100人=広告予算200,000円が必要なことが分かります。
また、ECサイトで商品販売する場合には、商品原価から求めたCPAと必要リード獲得数で計算することも可能です。たとえば商品単価3,000円・粗利率40%の場合、粗利は1,200円です。粗利の3分の1を広告予算に回せる場合、上限CPAは400円(粗利1,200円×1/3)となります。
この商品を広告によって10,000個販売したいとしたら、上限CPA400円×販売目標10,000個=広告予算4,000,000円を確保しなければなりません。CPA400円ということは、YouTube広告をCPC10円で運用していればLPに40人集客し、その中から一人が購入すれば目標達成です。
ただしこのケースでは、本当にCPA400円で広告を運用できるかが焦点となります。CPAが2倍になれば広告予算も2倍必要ですし、CPAが半分であれば広告予算は半分で済みます。
LTVとCPAから計算する
CPAから広告予算を求める手法を派生させると、LTVとCPAから広告予算を計算することも可能です(先述したとおり、コンバージョンを想定した計算の場合は動画アクションキャンペーン(VAC)の使用が前提)。
LTV
Lifetime Valueの略。顧客生涯価値とも呼ばれ、一人の顧客がもたらす総収益の予測値。
たとえば、先ほど例に挙げた商品単価3,000円・粗利率40%・粗利1,200円の商品が、毎月1本は必要になる化粧品だとします。この場合、LTVを1年に限定してみると1本あたりの粗利1,200円×12か月=14,400円となりますから、CPAを増額しても差し支えないのではないでしょうか。
獲得した全ての顧客が毎月継続して購入してくれるとは限りませんから、実務的には1年間のLTVの3分の1を広告予算に回すケースなども多いです。先ほどの例でいえば、1年間のLTV14,400円××1/3=4,800円が上限CPAとなります。YouTube広告をCPC20円で運用していればLPへ240人も集客し、そこから1人〜2人が継続して購入してくれれば、目標達成です。
この計算はあくまでも例なので、実際には粗利率や上限CPA、YouTube広告側のCPCやLPの成績などを加味して予算を決めることになります。YouTube広告ならではの予算計算に不安を感じる方は、マーケティングに精通している広告代理店へ相談してみてください。
YouTube広告制作にかかる費用
ここまでYouTube広告の費用相場について紹介しましたが、YouTube広告に出稿するためには「動画素材」を制作しなければなりません。自社で動画を作ることは簡単ではありませんから、YouTube広告の実績が豊富な映像制作会社に依頼した方がいいでしょう。
YouTube広告用の動画制作にかかる費用としては、30秒の動画であれば35万円〜50万円を相場として見ておいてください。
YouTube広告においてはターゲット別に複数の動画を制作するのが効果的ですが、その場合はまとめ撮りの対応が可能な映像制作会社を選ぶことをおすすめします。自社スタジオを保有する映像制作会社であれば、まとめ撮りに対応している可能性が高いため、1本あたりの制作コストを抑えられるでしょう。
映像制作からYouTube広告運用まで一貫して対応してくれる代理店であればコミュニケーションもスムーズですし、運用結果をもとにPDCAを回しやすくなります。
まとめ
YouTube広告にはCPC・CPV・CPMと3種類の課金方式があり、それぞれ仕組みや適用されるフォーマット、単価の相場が異なります。
フォーマット | 課金方式 | 単価相場 |
---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | CPV CPM | 5~10円 400~600円 |
スキップ不可のインストリーム広告 | CPM | 600~1,000円 |
インフィード動画広告 | CPC | 2~25円 |
バンパー広告 | CPM | 400~600円 |
「認知を拡大したいならバンパー広告」「LPへ遷移させたいならインフィード広告」など、目的に応じて選ぶべきフォーマットや費用相場も変わりますから、自社のビジネスモデルや広告出稿の目的、予算を明確にし、適切なフォーマットを選ぶことが重要です。
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